キャリア・教育

2022.04.18 07:30

会議で「後から噴出する不満問題」を起こさないためのテクニック


このステップは決して省略してはならない。文字通り、すべての参加者に、それぞれの答えを読み上げてもらう必要がある。「同じです」や「彼女と同じ考えです」といった形で、読み上げるのを避けようとする人が出た場合も、紙に書いた内容を正確に読み上げるよう促してほしい。

この手順を踏む目的は、意見の不一致の有無を洗い出し、不一致がある場合はその内容すべてを洗い出すことにある。ミーティングが終了する前に、これらの不協和音をキャッチしておかないと、グループ内の足並みを再び揃えるために、数時間ないし数日を費やすことになる。

このノミナルグループ手法は、方針が議論されている最中にも活用できる。チームの議論が少し行き詰まったように見える時、あるいは、流れの中で議論が動かない状態に達した時に、紙を取り出して、質問を書いてもらい、その問いに参加者全員が答えるようにすると、これが突破口になるはずだ。

グループが難しい問題を議論している時には、参加者全員に以下のような質問を投げかけ、答えてもらうと良いだろう。「この会議に参加していない人から、検討したけれど採用には至らなかった多くの選択肢について質問されたら、何と答えますか?」

あるいは、「ゼロから解決策を考えて良いとしても、この案を選びますか? 選ぶ理由、あるいは選ばない理由は何ですか?」という質問や、「私たちが今決めた事柄について、懸念を抱くのはどの顧客/ステークホルダーでしょう?」でもいい。最後の質問をもっと前向きなものに変えたいなら、「懸念」の部分を「期待」に置き換えるといい。

こうしたすべての手順を踏むねらいは、ミーティングを終えた参加者が会議室を退出する前に、大きな決断に関する意見の不一致をあえて表面化させ、すべて解決しておくことにある。

「ミーティングなんてうんざりだ、さっさと終わらせてほしい」と思っている人が大半なのは、筆者もわかっている。だが、この手順を省略すると、受動的攻撃の感情がはびこり、さらに多くの(そしてより面倒な)ミーティングを開く必要に迫られるのは確実だ。

翻訳=長谷睦/ガリレオ

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