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2022.04.14 06:30

インドの「インフラ王」アダニ、アジア一の富豪に 世界では6位

ゴータム・アダニ(Photo by Mint / Getty Images)

ゴータム・アダニ(Photo by Mint / Getty Images)

インドの”インフラ王”、ゴータム・アダニ(59)が、世界にわずかしかいない保有資産1000億ドル(約12兆5600億円)以上の「センティビリオネア」の仲間入りを果たした。

世界には現在、過去2年間に急激に資産を増やしたアダニのほかに、米電気自動車(EV)テスラの最高経営責任者(CEO)イーロン・マスク、アマゾン創業者ジェフ・ベゾス、マイクロソフト共同創業者のビル・ゲイツなど、8人のセンティビリオネアがいる。

この“エリート・クラブ”に入る唯一のインド人富豪、アダニは港湾運営や電力供給事業などを手掛けるコングロマリット、アダニ・グループの創業者。現在は会長職にある。傘下企業のうち6社は、インド国内で上場している。

アダニの保有資産が1000億ドルを超えたのは、アブダビのインターナショナル・ホールディングスが4月8日、グリーンエネルギー分野の事業を行うアダニ・グループの3社(アダニ・グリーン・エナジー、アダニ・トランスミッション、アダニ・エンタープライジズ)に総額20億ドルを投資したことが公表されたためとみられている。

フォーブスが毎日更新する富豪ランキング「リアルタイム・ビリオネアズ・リスト」によると、アダニの資産は4月12日時点で推定1225億ドル(約15兆3900億円)。世界第6位の富豪であり、アジアで最も裕福な人物となる。

アダニは1988年に大学を中退。地元グジャラート州で父親が経営していた生地店を継ぐことを断り、輸出事業を手掛ける貿易会社を立ち上げたのが起業家としての始まりだ。最初に世界長者番付に入ったのは、2008年。当時の資産は推定93億ドルだった。

インド最大の港湾運営会社のオーナーとなったアダニは、再生可能エネルギーやメディア、空港運営といった事業に参入。資産は新型コロナウイルスのパンデミックが発生したころから、急速に増加した。

そのアダニが目指すのは、世界最大のグリーンエネルギー生産者。今後は再生可能エネルギー関連のプロジェクトに、最大700億ドルを投資することを目指しているという。

ムケシュ・アンバニを超える


アダニの資産は今年2月に前年からほぼ倍増。約900億ドルとなり、それまでインド一の富豪だった同国の財閥、リライアンス・インダストリーズを率いるムケシュ・アンバニの資産を上回った。

その後、3月には一時アンバニが再びアジア一の富豪に返り咲いたものの、4月12日現在のアンバニの資産は約980億ドル(ランキング10位)で、アダニとの差は広がっている。

同日時点の世界の「センティビリオネア」の推定資産と順位は、以下のとおり。

1.イーロン・マスク/2626億ドル
2.ジェフ・ベゾス(アマゾン創業者)/1769億ドル
3.ベルナール・アルノー(LVMH会長兼CEO)/1633億ドル)。
4.ビル・ゲイツ/1326億ドル
5.ウォーレン・バフェット/1270億ドル(投資持ち株会社バークシャー・ハサウェイ会長兼CEO)
6.アダニ
7.ラリー・エリソン/1110億ドル(オラクル共同創業者)
8.ラリー・ペイジ/1100億ドル(アルファベット共同創業者)
9.セルゲイ・ブリン/1057億ドル(アルファベット共同創業者)

編集=木内涼子

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