経済・社会

2022.04.17 11:00

ウクライナ、ケンカ両成敗論はなぜ現れるのか

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その一例が、2011年5月に米オバマ政権が行ったビン・ラディン殺害作戦だ。米側はビン・ラディンがパキスタンに潜伏しているという情報をつかんだが、確度は50%とされた。そこで、オバマ政権が選択肢に上げたのが、(1)奇襲部隊の派遣(2)空爆作戦の実施(3)情報収集活動の継続──の3つだったとされる。
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3つの選択肢にはそれぞれのリスクがあった。奇襲部隊を送り込んでも成果を上げられないばかりか、待ち伏せを受けて米兵に被害が出る可能性がある。空爆作戦では本当に殺害できたか確認が難しいし、近隣に住む一般人が巻き添えになる可能性もある。情報収集を続けると、ビン・ラディンを逃してしまうかもしれない。元当局者は「オバマ政権として、リスクが発生しても受け入れ可能な選択肢を探した結果が、奇襲部隊の派遣でした。米国の情報当局は、オバマが判断を間違えないための情報提供に努めました」と語る。

岸田政権も主要7カ国(G7)の対ロシア経済制裁に同調する政策を実施している。当然、ロシアは反発して日ロ関係は険悪になるし、エネルギーなどの国内物価も上昇する。これに対する色々な評価があるだろうが、政策判断はあくまでも「岸田政権として耐えうる選択とは何か」という基準で決まっている。別の見方をすれば、政策当事者は「ロシアとウクライナ、どちらが正しいか」という情報を探し求めているわけではないという。

これは、新型コロナウイルスを巡る政策で起きた、「感染を食い止めるために経済を止めるか」「市民生活を守るために経済を動かすか」という判断の衝突にも言えることだろう。
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元当局者は「情報の追いかけ方は、情報を得て何をやりたいかによって変わります。ロシアとウクライナのどちらが正義かという情報を追いかけ、岸田政権の判断について評価や批判を下すことも必要でしょう。自分が何をしたいのか、をまず立ち止まって考えてみると、情報に接する視点がはっきりするのではないでしょうか」と語った。

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文=牧野愛博

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