12日の米株式相場は上昇して始まり、後場で下落に転じた。ダウ平均は0.1%安で約100ポイントの下落。S&P500は0.3%安で、ハイテク銘柄が多いナスダック総合株価指数も0.3%安だった。
米労働省が12日発表した消費者物価指数(CPI)は前年同月比の伸び率が8.5%となり、過去40年間で最も速いペースの上昇となった。
全体的なインフレは加熱しているが、変動の大きい食品とエネルギーを除くコアCPIは、前月比0.3%の上昇と、2月の0.5%の上昇から鈍化し、アナリスト予想を下回ったことが市場の追い風となった。
特に、中古車などの最近高騰したカテゴリの価格が下落したことから、一部の投資家は、コアCPIの低下が、インフレがピークに達する兆しではないかと考えている。
一方で、3月の物価上昇の最大の要因はガスと食品の上昇で、ガス価格はロシアのウクライナ侵攻を受けて18%以上も上昇した。
11日に急騰した国債利回りは12日にやや後退し、株価の押し上げ要因となったが、10年債利回りは依然として2.7%を超え、2019年1月以来の高水準になっている。
原油価格が1バレル100ドルを超えて急騰したことで、エネルギー関連銘柄は12日に急騰した。オクシデンタル・ペトロリアム、マラソン・オイル、デボン・エナジーはいずれも3%以上上昇した。
独立アドバイザー同盟(IFA)のクリス・ザカレリ最高投資責任者(CIO)によると、12日の「明るい兆し」が、予想を下回るコアCPIの数字であることは確かだという。
「エネルギー、食品、その他の必需品の価格の上昇は消費者に大きな打撃を与えているが、これらはすべて、FRBが注視するコアCPIから除外されている。このことは、株式や債券市場にとって短期的な好材料になり得る」とザカレリは述べた。
一方、LPL Financialのチーフエコノミストのジェフリー・ローチは、「インフレはまもなくピークを迎えるだろうが、正常に戻るまでの道のりは痛々しいほど長い。インフレ圧力からの解放は、食品価格と自動車価格から始まる」と述べた。