横田:たしかに、マネジメント層が意識して風通しの良さを維持しようとしているのを感じます。意思決定についてもプライオリティについても、かなりクリアにコミュニケーションしている姿が伺えますね。
竹崎:その他に、アメリカに来て感じた驚きなどはありましたか。
横田:「言語の壁」は、私が日本にいるときに感じていたほど高くありませんでした。やはり、英語はあくまでツールであり、それを使ってどれだけチームに貢献できるかが評価の対象です。評価はとてもフェアですし、言語力の問題で冷遇されることは全くありません。会社には、アメリカ以外から転職された方や移民の方が本当に多くいますし、シアトルの人はネイティブスピーカーではない人と働くことに慣れているので、勝手に感じていたハードルはなかったと感じますね。
竹崎:たしかに、私も同感です。私はアマゾンが4社目ですが、働きやすさという観点では恵まれていると思っています。例えば、定時を5分過ぎて仕事をしていただけでマネージャーから心配されたり、休日にはメールのやりとりをしないよう言われたり、タイムマネジメントはしっかりしていますね。
横田:私も、子どもが生まれてからずっと夫と共に在宅勤務です。コロナ禍でリモートワークが進んだといいますが、アメリカではコロナ以前から、求めればワークライフハーモニーを考慮した働き方が手に入る環境だったと思います。
中里:そうですよね。ちなみに、皆さんは日本人の強みだと感じるところはどこだと思いますか。言語の面でディスカウントがかかる分、どこで評価をニュートラルにもっていけるのか気になります。
横田:真面目さでしょうか。私自身、最初の数年を日本のビジネスカルチャーで過ごして、社会人の基礎力を日本で培えたことは良かったと思っています。メールは24時間以内に返すとか、報連相をするとか、当たり前のことを当たり前にやっているだけで評価されるという現象がアメリカでは起きるので。
加瀬:私も、日本のビジネスカルチャーでは、「当たり前」とされる基準が高いと感じます。丁寧さとか整理整頓するとかもそうですし。日本にいるときはそれがプレッシャーに感じることもありましたが、日本でプレッシャーだと感じながらも習慣になっていたことが、アメリカではプラスになっているような気がします。
竹崎:たしかに、当たり前のことをしているだけで驚かれた経験が私にもあります。では最後に、今後の長期的なキャリアの展望について教えてください。横田さんはいかがですか。