そして、今年2月末にロシアがウクライナに侵攻、「プーチンの戦争」が始まった後には、このデータには新たに、およそ750万人が追加されたとみられている。ユニセフ(国連児童基金)によると、3月末の時点ですでに、ウクライナからは200万人以上の子どもが国外に避難。国内避難民となった子どもは、約250万人とされている。
そのほかユニセフは、ウクライナでは4月6日までに、少なくとも130人の子どもがこの戦争により命を落としたと報告している。だが、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が民間人や民間の施設を標的とした攻撃を続けるなか、実際の犠牲者の数は、これを大幅に上回っていると考えられる。
命はさまざまな形で奪われる
紛争地域で暮らすことによる命の危険は、銃弾や爆弾によってのみもたらされるものではない。世界では毎年、数十万人の子どもたちが、栄養失調や病気、医療や清潔な水へのアクセスの欠如など、紛争の間接的な影響によって命を落としている。
さらに、紛争下の子どもたちは大人に操られやすい状況に置かれ、少年兵にされたり、自爆攻撃を実行させられたりすることもある。さらに、少女たちは多くの紛争において、児童婚を強いられたり、奴隷にされたりしている。
そしてもう一つ、注意すべき重大な問題がある。それは、「プーチンの戦争」が続く中で見られる子どもたちの強制移送や、非合法な養子縁組などだ。ウクライナ議会の人権委員、リュドミラ・デニソワによると、ここ数週間のうちに、合わせて12万1千人以上が強制的にロシアに移送されたという。
デニソワは、ロシアは法改正により、ウクライナ東部ドンバス地方から子どもたちを養子として移住させる手続きを迅速化させていると指摘する。そして、次のように述べている。