その日は雨天にもかかわらず、入場ゲート前では約3000人が午前9時の開園を待っていました。一番乗りは、2日前から並んでいた埼玉県の男子大学生で、初日の来園者数は約2万5000人を数えました。
TDLを運営するオリエンタルランドは、三井不動産や京成電鉄などが、レジャーランドの建設を目的に1960年に設立。社名には、「東洋(オリエント)一のテーマパークをつくりたい」という思いが込められていたといいます。
オリエンタルランドは、社名に込めたレジャーランド構想を実現するため、アメリカのディズニーランドの誘致に目標を定めました。
1974年、ウォルト・ディズニー・プロダクションズ(現ディズニー・エンタプライゼズ・インク)の首脳陣を日本に招き、東京・日比谷の帝国ホテルでプレゼンテーションを行います。
その後、当時まだ数少なかったサロン付きのデラックスバスにウォルト・ディズニー・プロダクションズの一行を乗せて、建設予定地の浦安地区を案内。さらに、ヘリコプターに乗り換え、上空からも視察を実施し、海や河川に囲まれ、東京都にも隣接する浦安の立地条件の素晴らしさをアピールしました。
その2日後、両社の間で会談がもたれ、「オリエンタルランド社とともにディズニーランドのテーマパークを建設する可能性を追求したい」という「基本合意」に至りました。首脳陣の来日からわずか3日間の出来事でした。
TDLの入園者数は、開業翌年の1984年4月2日に累計1000万人を達成。その後、1991年には累計1億人目のゲストを迎え、1998年にはTDL単体として最高となる1746万人の年間入場者数を記録しました。順調に成長を続けましたが、今回のコロナ禍で年間入場者数は大幅に落ち込み、2021年(3月期)は756万人と過去最低に。オリエンタルランドも、1996年の上場以来、初の赤字となりました。
とはいえ、この2月26日には東京ディズニーシー(TDS)とTDS、両テーマパークを合わせた入園者数が累計で8億人を突破。2023年度には、日本でも大ヒットした映画「アナと雪の女王」などをテーマにした新エリア「ファンタジースプリングス(Fantasy Springs)」がTDSに完成する予定で、東洋一をめざした「夢と魔法の王国」はさらなる進化を続けています。
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