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2022.04.08 16:30

バイナンスUSが250億円調達、大谷翔平を起用のFTXらに対抗

Binance mobile app running at smartphone screen with a trading page at background. (Contributor: Irina Budanova/shutterstock)

世界最大の暗号通貨取引所バイナンスの米国支社の「バイナンスUS」は4月6日、2億ドル(約248億円)のシード資金を調達したと発表した。創業2年の同社は、今回の調達ラウンドで初めて外部からの資金を受け入れ、45億ドルの評価額を持つユニコーンの地位を獲得した。

今回のラウンドの投資家には、RRE Ventures、Foundation Capital、Original Capital、VanEck、Circle Venturesらが含まれている。同社はまた、すべての人々に平等な投資機会を与えるための努力の一環として、GaingelsやGold Houseなど、ダイバーシティとインクルージョンに注力する企業を出資元に迎えた。

バイナンスUSのCEOのブライアン・シュローダー(Brian Shroder)によると、同社は米国の45州のライセンスを取得済みで、年内に全米50州に拡大する予定という。

ベンチャーキャピタル業界は、今年の市場の低迷にもかかわらず、暗号通貨分野に盛んな投資を行っている。クリプト(暗号通貨)に特化したVCのパラダイムは11月に25億ドルを調達し、新たに設立されたハウン・ベンチャーズも3月に10億ドルを調達した。さらに、アンドリーセン・ホロウィッツも、新たなクリプト関連のファンドに45億ドルを調達する見通しだ。

バイナンスUSは、今回の調達資金で採用を強化してマーケティング予算を増やし、分散型金融(DeFi)やレンディング、NFTなどの新たなプロダクトに注力する。さらに、投資家に暗号通貨の利子を与えるステーキングのサービスを強化する。

暗号通貨業界の競争は激化している。昨年4月に上場したコインベースは、2021年に73億ドルの収益をあげ、36億ドルの純利益を稼ぎ出した。同社は、基本的なトレーディングから最大2.99%の取引手数料を徴収している。

これに対し、バイナンスUSの手数料はわずか0.1%で、同社は価格面の優位性で、コインベースに対抗しようとしている。しかし、このような低い手数料で高い業績を実現するためには、より多くの顧客ベースを獲得するか、補足的な収入源を見つけることが必要となる。

シュローダーによると、バイナンスUSは黒字だという。しかし、彼は具体的な財務数値や顧客数については言及を避け、「数百万人単位の顧客を抱えている」と述べるにとどまった。

大谷翔平や大坂なおみのFTXとの競争も激化


さらに、Crypto.comやFTX.comの米国法人であるFTX.USなどの新興企業は、巨額のスポンサー契約を通じて新規のユーザーを呼び込もうとしている。Crypto.comは11月に7億ドルを支払って、米NBAのLAレイカーズが使用するスタジアムの命名権を7億ドルで獲得したことで注目された。

一方で、29歳のサム・バンクマン・フリードが率いるFTXは、NFL選手のトム・ブレイディやNBA選手のステフィン・カリー、女子テニス選手の大坂なおみ、エンゼルスの大谷翔平らとアンバサダー契約を結んでいる。

シュローダーは今後数カ月以内に、新たな投資家を発表する可能性が高いと言及した。バイナンスUSは、業績や市場環境に応じて、2024年か2025年のIPOを目指しているという。

注記:フォーブスは、特別目的買収会社(SPAC)であるマグナム・オパス・アクイジション・リミテッドとの合併を通じて上場を目指しており、バイナンスは、この取引に大規模な投資を行う予定だ。

編集/翻訳=上田裕資

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