ハチは、東京帝国大学農学部教授の上野英三郎博士に飼われていた秋田犬。飼い主への忠誠心が高く賢いその気質から、秋田犬は当時の富裕層の間で特に人気があったそうです。
上野博士はハチをかわいがって生活を共にし、ハチは帝大に出勤する上野博士と一緒に毎日渋谷駅まで通っていました。ところが、ハチを引き取ってからわずか1年4カ月に上野博士が急逝。その後ハチは代々木に住む他の飼い主に引き取られましたが、その後も10年間、ハチは毎日渋谷駅に姿を現し、上野博士の帰りをずっと待っていました。
帰らぬ人となった主人を健気に待ち続けるハチの姿が新聞に取り上げられたことをきっかけに、「忠犬ハチ公」として人々の関心を集めることとなりました。まだハチが生きていた1934年に初めての銅像がつくられ、ハチも除幕式に招待されたといいます。
その後、太平洋戦争中に金属類回収令によって初代銅像は取り壊されましたが、戦後になって2代目が建立。それがいまも渋谷駅に残る銅像です。
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