「彼らの正体を暴いてやろう」と、彼は観客に語りかけた。
ティールがやり玉にあげたのが、暗号通貨の価値に疑問を投げかけるウォーレン・バフェットだ。彼は、バフェットのことを「ソシオパスな爺さん」と呼び、敵リストのナンバーワンに指定した。さらに、JPモルガンのジェイミー・ダイモンCEOとブラックロックのラリー・フィンクCEOらが「資金の一部をビットコインに割り当てる必要がある」と述べた。
ティールのプレゼンは、マイアミビーチで毎年開催されるクリプト支持者の大規模な集会であるカンファレンスで、今年最も印象的な瞬間になった。ティールはまた、世界中の中央銀行を批判し、テクノロジーへの取り込みが遅れていると非難した。
彼は、ここ数年のビットコインの価値の上昇が、「中央銀行が破綻していることを証明している」と述べた。「法定通貨の時代は、終わろうとしている」とティールは語った。
1998年に決済会社ペイパル(PayPal)を共同創業したティールは、同社を退社後にファウンダーズ・ファンド(Founders Fund)を含む複数の投資会社の運営に乗り出し、バーチャルマネーに関わってきた。ここしばらくは、投資の世界から距離を置き、共和党関連の政治活動に注力していた彼は、7日のカンファレンスで久々に人前に立った。
Bitcoin 2022は、ティールのホームグラウンドであるフロリダ州マイアミで開催された。彼は会場から数分の距離にベイサイドの邸宅を所有しており、ファウンダーズ・ファンドもテクノロジーハブとして台頭するマイアミを応援している。
ビットコインの価格は現在4万3000ドル台で、昨年11月につけた高値から30%以上下落しているが、ティールは将来的に現状の価格の100倍に上昇すると述べている。しかし、ビットコインが430万ドルに上昇するためには、大規模な導入が進むことが必要だ。
そこで、問題となるのが、バフェットをはじめとする「敵」たちの存在だ。彼らは、変化を阻止するための十分な影響力を持っている。
テイールは、暗号通貨業界が反クリプトの老人たちの反発に直面していると述べた。「今こそ革命を起こす時だ。カンファレンス会場の外に出て、世界を征服しよう」と彼は呼びかけた。