「大和四神1000年ループ」に込められた平和への祈り

原神一作、西大寺屏風画


もうひとり、本プロジェクトに奉納するアーティストが、造形作家の竹谷隆之。映画「シン・ゴジラ」のキャラクターデザインや「ジブリの大博覧会・王蟲の世界」の雛形制作&造形監修も手掛ける竹谷は、キャラクターデザインや造形で、世界的にも高い評価を受けている。今回、仏像の鋳造として用いられるブロンズを使用した「四神之印」を制作した。

このプロジェクトは、目標金額1000万円でクラウドファンディングも行っており、支援者には、祈祷済みの「四神之印」のレプリカや、支援者の名前を入れた「四隻之屏風」、秋に開催される式典への参加などの返礼品を設定。それぞれの返礼は私たちの祈りを具体化した形となる。

管領、五條は、「祈り」について「未来に繋がるもの」と考える。「祈りとは、心の問題です。その祈りが転じて感謝の心が生まれる。その感謝の心は、祖先から未来までひとつに繋がる確かなもの。つまり、祈りとは、その人の幸せ感を広げていく、心そのものなのです」と語る。


造形作家 竹谷隆之作、青龍(左)白虎(右)

奈良⇔東京二都市を繋ぐ式典


奈良が舞台となった今回のプロジェクトだが、奈良と東京との二都市を繋ぐ式典が、9月に開催。四神を祀る四大寺とアートを担当したクリエーターからのメッセージを紹介しつつ、会場内では、スポンサー企業の出展ブースを設営するなど、多くの人が参加出来る内容となる。

このプロジェクトを動かすのは、奈良で活躍するメンバーで構成された「大和四神1000年ループ」協同チーム。プロジェクトリーダー別所史、コンテンツディレクター長谷川克彦、プロジェクトプロモーター別所史、グラフィックデザイナー上浦智宏、マーケットプランナー平田幸一、アーキテクトビルダー芳野祟、Webクリエイター竹本すみれの6人により、企画&運営されている。

「1000年前の人々の祈りがどんなものだったのか? それを推し量るヒントが奈良には残っています。自然への感謝と共生を培い、万物の為に祈りを捧げる。止まらぬ気候変動や抗争、さらにはコロナ禍という未曾有の世界を生きる私達が、1000年先の未来に向けて出来る事を一緒に考えていきたいと願っています」と、別所。
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文=中村麻美

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