「大和四神1000年ループ」に込められた平和への祈り

原神一作、西大寺屏風画

これから始まる新たな1000年。さらに、その先に続く永遠の未来に向けて、「人々の平和を願い、それを祈る心」を届ける目的で「大和四神1000年ループ」プロジェクトがスタートした。

現代を代表する2人のアーティストによって創り出された作品が、仏教伝来から1000年余りの時を経た奈良大和に届けられ、4つの寺へと奉納されるこのプロジェクトは四神がモチーフとなるアート作品によって私たちの祈りが未来へ届けられる活動だ。

奈良の4寺院へ奉納された現代アート


奈良大和の四神として4つの寺院「北に位置する玄武の西大寺」「東に位置する青龍の室生寺」「西に位置する白虎の朝護孫子寺」「南に位置する朱雀の金峯山寺」は、吉相に佇む四つの古刹。そんな古き由緒ある場へアートを奉納するのが、現代アーティスト&クリエイティブディレクターの原神一だ。

原は著名ミュージシャンのキービジュアルを手掛けるクリエーターの第一人者でもある。2007年、世界初のロボット「MIURO」をデザインし、経済産業省ロボット大賞を受賞。2020年の東京オリンピック・パラリンピックでは、公式応援プログラム「世界平和願いの祭典」で、クリエイティブ・ディレクターに就任し、今回のプロジェクトに参画した。


左:管領 五條良和 右:原神一

創られた作品は、四神として描かれた「四隻之屏風」だ。四隻の屏風を繋ぎ合わせると、ひとつの大きな和(輪)となるこの作品は「世界平和」や「吉祥招福」をイメージしている。

「デジタル時代になっても、アナログから続いているエネルギーは、未来に届く可能性を秘めています。平和への祈りが未来永劫に続くようにと願いを込めてこの作品を創りました。こういった意義深い活動に、今後も貢献していきたいと思っています」と原は語る。

金峯山寺の管領 五條良和は、作品について次のように語る。

「今回原さんが創られた4つの屏風は、繋げていくと丸く円になって、東西南北になります。これを見た瞬間、他にはない新しい発想力に衝撃を覚えました。コロナ禍で、外出や消費など、様々なことが分断されている昨今ですが、だからこそ繋がっていることの大切さを皆様に届けたい」


原神一作、金峯山寺屏風画
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文=中村麻美

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