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2022.04.09

セコイア・キャピタルの未来を担う48歳、ペイパル出身の投資家

セコイア・キャピタルの新たなグローバルリーダー、ロエロフ・ボサ(Photo by Brian Ach / Getty Images)

セコイア・キャピタルは、同社の長年のパートナーである元ペイパルのロエロフ・ボサ(Roelof Botha)を新たなグローバルリーダーに起用する。

同社は、ダグ・レオーネ(Doug Leone)の後任として、ボサをグローバル部門を率いるシニアスチュワードに任命した。レオーネは引き続きセコイアのゼネラル・パートナーを務めるが、7月5日付で異動する。

現在48歳のボサは、2000年にオンライン決済のパイオニアのペイパルに入社し、CFO(最高財務責任者)を務めていた。南アフリカの政治家ピク・ボサの孫である彼は、ペイパルがIPOを行った翌年の2003年にセコイアに入社した。

フォーブスの投資家ランキングの「ミダスリスト(Midas List)」に13回選出され、2021年に9位にランクインしたボサの投資先にはインスタグラム、MongoDB、スクエア、ユーチューブ、23andmeなどがあり、最近ではビデオ会議のスタートアップMmhmmを支援している。

彼は、2017年に元ミダスリスト1位のジム・ゲッツがセコイアから退いたタイミングで同社の米国部門のリーダーになり、現在は米国と欧州の事業を単独で率いている。

シニア・スチュワードとしてのボサの任務は、グローバルの「方向性を示す」ことと、コンプライアンス、財務、カルチャーを監督することだと、同社は述べている。一部のベンチャーキャピタルは、グローバルな投資を1つのグループに集中させているが、セコイアは、各部門を独立した組織として運営している。

同社は、米国と欧州のファンドと並んで中国やインド、東南アジアに支社を持ち、資産管理部門の「セコイア・ヘリテージ」などを運営しているが、それぞれが個別のマネージングパートナーによって運営されている。セコイア・チャイナの創業者であるニール・シェンも、今後はボサの指揮下でスチュワードを務める。

暗号通貨に特化のファンドも


2020年に欧州に進出した米国部門も独自の運用を行っており、昨年10月には従来の10年単位のサイクルで運用せず、1つの大きなファンドを期限を決めずに運用する「Sequoia Capital Fund」を発表した。2月に同社は暗号通貨に特化したSequoia Crypto Fundを立ち上げた。
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編集=上田裕資

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