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2022.04.06 19:00

ノバセルがテレビCMの運用支援を拡大 「他社のCMの効果」も見える化

ノバセルの田部正樹社長(提供=ノバセル)

ラクスル傘下で、テレビCMの運用支援を行うノバセルは6日、新たに2つのサービスを開始すると発表した。

1つは「ノバセルトレンド」といい、テレビで放映されるCMの効果測定を行い、顧客のマーケティング改善を促進するものだ。

ノバセルは、ラクスルが5年で売り上げを30倍にしたノウハウを元に、2018年12月にサービスを開始。広告のリーチ数を最大化することを指標に置き、視聴率や放送後の視聴者の動きを可視化することで、広告主が自社CMのPDCAを回す仕組みを実現した。

ただ、これまで可視化できるのは、自社のCMに限られていた。そこで今回、新サービスとして「ノバセルトレンド」を導入。すべてのテレビCMを対象にその効果を見える化することで、競合比較や戦略立案がより簡単にできるようになる。

例えば「競合のA社のCMは朝より夜の方が反応がいい、うちも夜に寄せてみよう」「B社の価格の安さを訴えるCMは、放映後のサイト流入が多い、うちも低価格を打ち出していこう」という判断ができるわけだ。

6日に開かれた戦略発表会で、ノバセルの田部正樹代表は「半年で100社に導入したい」と目標を述べた。

2つめは、顧客アンケートをスピーディに行うことができる「ノビシロ」。顧客の声を重要視するものの、調査会社へ依頼する予算やアンケート作成のノウハウが不足し、実施ができていない企業課題を解決する。

ノビシロでは、オンラインで調査項目などを入力すると、最短20分で100人の声を集めることができる。価格は2万円から(5問100サンプル回収)。

田部代表は、「顧客に聞きたいことをすぐに聞けるようになることで、感覚ではなくアンケートに基づいた意思決定が可能になる。会議中に、A案かB案か迷う場面は多いですが、ノビシロに調査内容セットしておくと、会議後には結果が出ている。そんな使い方ができます」と語った。

ノバセルトレンドの19日、ノビシロは21日からサービスを開始する。

これまでテレビCMに特化してきたノバセルにとって、ノビシロではウェブという新たな領域を開拓することになる。ビジョンにも掲げる「マーケティングの民主化」をいかに推し進めていくのか、注目したい。

文=露原直人

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