コムズは2007年、英酒造会社ディアジオが製造・販売しているウォッカブランド「シロック(Cîroc)」とパートナー契約を結んだ。そしてその結果、当時は知名度が低かったシロックを数十億ドル規模の一大ブランドへと押し上げ、ブームを巻き起こした。
そしてシロックはこのたび、コムズが旗振り役となって、栓を開ければすぐに飲めるRTD(レディ・トゥ・ドリンク)分野に参入を果たした。缶入りのウルトラプレミアム・ウォッカカクテル「Cîroc Vodka Spritz」を4つのフレーバーで発売したのだ。
ショーン・コムズ(左、Getty Images)
RTD業界は、2021年の市場規模が329億4000万ドルだったが、2030年には855億ドルに達する見込みだ。とはいえ、プレミアムドリンクはまだ少ない。米国では、ハードセルツァーと呼ばれるアルコール入り炭酸飲料の「White Claw」が人気だが、ホームパーティーのテーブルで供されるほど浸透しているわけではない。
シロックがまず発売したフレーバーは、「ウォーターメロン・キウイ」、刺激的なオレンジ味の「サンセット・シトラス」、「パイナップル・パッション」、ココナッツとパイナップルが入ったクリーミーな「コラーダ」の4種類だ。2022年4月1日からシロックの定番ブランドとして仲間入りし、希望小売価格は4缶入りで16.99ドルだ。
電話インタビューに答えたコムズは、「徹底的に力を入れてプロモーションを行う」と語った。「破壊力が強く、ソーシャルメディアを駆使したコンテンツになる。RTD分野を本気で乗っ取るつもりだ」
Cîroc Vodka Spritzは、ディアジオのRTD分野への本格参入にあたって誕生した革新的な最新ドリンクのひとつだ。同社は2022年3月に、1億1000万ドルを投じた缶入り飲料専用の巨大工場をイリノイ州で開業した。RTDブランドの製造強化を目的に建てられた工場で、年間2500万ケースの缶入り飲料がここで製造される(ただし、Cîroc Vodka Spritzが製造されるのはここではないようだ)。