WHOは世界保健デーに合わせて、毎年テーマを発表しています。2020年は「看護師・助産師を支援しよう」、2021年は「より公平で健康的な世界を築くために」、今年、2022年のテーマは「Our planet, our health(私たちの地球、私たちの健康)」です。パンデミックや環境汚染などが進むなかで、人類と地球を健康に保つ行動を促すことを目指して掲げられました。
現在もなお、多くの病気が私たちの健康を脅かし続けています。特にコロナ禍の長期にわたる自粛生活による閉塞感や孤立感などのストレスから、メンタル不調に直面した人も多いかもしれません。
そんななか、自然のなかで過ごしたり、緑に接することがストレス軽減に有用だとする研究結果が多く発表されています。例えば、ペンシルバニア大学が2018年に行った調査では、都市を緑化することで「気分が沈み込んで何があっても気が晴れない」と回答した住民の割合が40%近くも減ったという結果を発表しました。また、東京大学大学院の研究チームは、東京が緊急事態宣言を解除した直後に都民を調査。緑との触れ合いが生活満足度や幸福感を高め、都市部の自然環境を保護することは、そこに暮らす人間の健康を守るためにも重要であるとしました。
こうした流れから、アメリカでは「10 Minites Walk」という計画がコロナ禍によって注目されています。これは、2050年までに米国のすべての人が、安全で設備の整った公園や緑地に「徒歩10分以内」で行くことができるように整備を進める運動で、2017年に開催された全米市長会議により採択されました。
現在ニューヨーク市やロサンゼルスなどの大都市を含む200人以上の各自治体長が賛同しており、アメリカの非営利団体「The National Recreation and Park Association(NRPA)」も協力。補助金を支援するなど、その輪は広がっています。
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