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2022.04.06 07:00

イーロン・マスクはツイッターに何を要求するのか?

Getty Images

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イーロン・マスクがツイッターの株式9.2%を取得し、筆頭株主となったことが4月4日、米証券取引委員会(SEC)への提出書類で明らかになった。ツイッターで8000万人以上のフォロワーを持つマスクは度々、同社を批判しており、昨年11月にジャック・ドーシーの後任としてツイッターのCEOに就任したパラグ・アグラワルとの間で衝突が起きる可能性がある。

マスクは今から1週間前に、フォロワーたちに「ツイッターが不当な検閲を行っていないかどうか」を尋ねる投票を行っていた。しかし、投資家たちはマスクの登場を歓迎し、ツイッターの株価は4日に25%以上も上昇した。

ドーシーからCEOを引き継いだアグラワルは、ツイッターが2023年末までに、現在の数字を大幅に上回る3億1500万人のアクティブユーザーと75億ドル(約9200億円)の収益を達成すると述べている。

2020年3月には、物言う投資家のエリオット・マネジメントが、当時低迷していたツイッターの株式を購入し、さまざまな要求を行った。そのうちの1つが、ドーシーがツイッターの経営を退くことだった。エリオットは、ドーシーがツイッターと決済会社のスクエアのCEOを兼任していること嫌っていた。

ツイッターはその後、エリオットと和解し、同社がより大きな目標を設定し、ドーシーの後継者計画を策定することに合意した。

2011年にツイッターに入社し、最高技術責任者(CTO)を務めていたアグラワルがCEOに就任した際、マスクはアグラワルの顔の上に旧ソ連の独裁者スターリンの顔の上に貼り付けた写真をツイッターに投稿した。さらに、スターリンによって暗殺されたニコライ・エジョフの位置に、ジャック・ドーシーを置いていた。

マスクは、その投稿でアグラワルがツイッターの検閲を強化することに反対だと言いたかったのかもしれない。



マスクの要求を呑むしかないツイッター


マスクがツイッターに何を期待し、どのような変化を求めているのかは定かではない。SECへの申請で、彼はいわゆるパッシブインベスターとしてツイッターの株式を取得しているが、それでも、マスクが取締役に就任したり、アグラワルに要求を突きつけることは十分可能だ(4月6日追記:マスクはその後ツイッターの取締役に就任した)。

マスクのツイッターでの発言には賛否両論があり、問題視されている。最も顕著なのは、2018年に彼がテスラを非公開化すると述べた投稿だった。

ツイッターは長年、魅力的な買収ターゲットとされてきた。同社の存在感は他のプラットフォームを圧倒しているが、フェイスブックやスナップのような経済的成功を収めてない。ツイッターの株価は、過去6カ月間で大きく下落しており、アナリストは同社がドーシーが退任前に設定した目標を達成するのが困難だと考えている。

さらに、フェイスブックやスナップとは異なり、ツイッターは会社の構造上、外部からのプレッシャーに弱い。マーク・ザッカーバーグとエヴァン・スピーゲルは、強力な支配株を握っているが、ツイッターのCEOはそのような特権を行使できない。つまり、アグラワルは、マスクの要求を聞き入れるしかないのだ。

編集=上田裕資

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