PaaSモデルだからこそ得られるエアコンの省エネ効果とは
空調機器の省エネ性を最大限に引き出すために、主に以下3つのアプロ―チが必要だと考えています。
1.その施設にあった最適な機器を選定し、設備設計をすること
2.運用改善のためのコミッショニング(年間の稼働データを分析・見える化し、省エネ運用のムダやムラを検証)と省エネを実現するチューニング
3.ハイブリッド型のメンテナンス(遠隔からの自動運転と、現地でのフィルター定期清掃やフロン排出の法定点検)を実施すること
これらの施策により、従来型の売り切りモデルより16%程度エネルギー消費量が抑えられると見ています。また、実際に当モデルを導入された病院の例では、2年間で空調にかかる電気使用量を37%削減できたという実績も出ています。
PaaSモデルだからこそ得られる長寿命化・導入コストの削減効果とは
![](https://images.forbesjapan.com/media/article/46765/images/editor/675f63b3dd9a473f562df6351ceb7c5e.png?w=1200)
AaaSは、止まらない確率を高めるために系統の統合(モジュール化)や最適容量選定(ダウンサイズ)を推奨し、導入コストも低減
売り切り型の場合、故障停止時の影響範囲を最小限にするために系統を細分化するという設計方法を採用します。この方法では、停止時の影響範囲を小さくとどめることができる一方で、復旧までの時間を要するというリスクがあります。
PaaS型の場合、室外機系統の統合モジュール化を推奨しており、負荷実態に合わせた自動交互運転によって圧縮機の稼働を平準化しつつ、24時間365日遠隔監視します。万が一の故障時もバックアップ運転や早急な対応で室内の空調環境を保つことができ、機器の長寿命化も期待できます。
また、実際のピーク空調負荷に合わせた独自の設計手法も併せることで、部屋の広さに対するエアコンの大きさや台数の最適化を図ることができるので、導入時のコスト削減につながります。
PaaSモデルによってメーカーが製品の所有権を持ち続けることで、製品の寿命にはどのような変化が見込まれるか
AaaSでは、ダイキンが定期的にお客様の利用機器のメンテナンスを行うので、故障につながる要因を早期発見することにより、製品寿命を延ばせる可能性が高まります。
利用期間が長くなると空調設備の劣化が進んでいきますが、弊社のサービスにより劣化進行速度を抑え、お客様に初回ご利用頂く10-13年を超えて、設備の性能を維持していく考えです。
さらに、お客様の施設で利用期間が終了し回収された製品のうち、再利用可能な部品については別の製品での再利用も行います。空調設備は室外機・室内機など複数の機器で構成されていますが、寿命の長い室内機は長期間使用し、寿命の短い室外機だけを先に交換するなど、使えるものは長く使うように組み合わせてサービスを提供しています。
顧客の機器利用データはどのように活用されているのか
ご提案前にエアコンの使用実態を1年間計測すると、そのビルや部屋に対する最適なエアコンの大きさや台数などがわかります。お客様が現状利用している空調機よりも能力が低い機器に変更しても問題ないことも多く、省エネ・省コストにつながる提案を行っています。
また、サービス開始後はお客様の空調利用状況を常にモニターしているため、空調の消し忘れや設定温度が高すぎる・低すぎるなどの利用状況も把握でき、運転効率を改善するための提案や、電力使用のピーク時に使用を抑える提案につながっています。