2. 信頼:あなたは、業界トップのアドバイザーだろうか。優れたアドバイザーに名を連ねられるよう、あらゆる努力を重ねてきただろうか。「高額報酬をもたらすクライアントは、アドバイスの質と価値にお金を出したいと考えている」とベイズは話す。
「そうしたクライアントは、業界最高水準のアドバイザーに依頼する資金力を持っている。一流アドバイザーなら、自身の哲学や経験を記した書籍を出版してきたかもしれない。専門分野についてまとめた著作があれば、信頼が増す。実力の証となる資格や実績があれば、一流アドバイザーになろうとする真剣さを示すことができる。私のクライアントの多くは、それぞれの専門分野で一流に上り詰めた人であり、同じように努力を積んできたファイナンシャルプランナーを求めている」
3. 相性:「性格の不一致でうまくいかなかったケースは、誰でも聞いたことがある」とベイズは言う。「それが現実だ。アドバイザーとクライアントは、相性が良くなくてはならない。相性が悪いなら、他のアドバイザー、他のクライアントに替えたほうがうまくいく。相性が良くないことを認めてそつのないやり方で伝えることは、恥じることではない」
4. コミュニケーション能力:「高額報酬のクライアントは、支払いの対価として、どのような価値を手にできるのかを知りたいと考えている」とベイズは言う。
「複雑な話を簡潔に伝えられる能力は、非常に重要だ。クライアントは、専門用語だらけの説明など聞きたくないし、それで感心することもあまりない。私は教師の経験を持つアドバイザーなのだが、そうした経歴について、クライアントから幾度となく評価されてきた。私は順序だててわかりやすく説明するからだ」
5. 思いやり:この特性が必要であることに、ベイズは驚いたという。「私のクライアントのうち多くの人は、お金をめぐる不安を一笑に附された経験がある」とベイズは話す。
「けれども、クライアントも人間であり、いろいろな不安を抱いている。たいていの人よりずっと裕福で、知識も資産も多いからといって、それらを失ったり適切に管理できなかったり、だまされたりする事態を恐れていないわけではない。繰り返し言っておきたいのだが、高額報酬を払うクライアントも人間であり、人間らしい感情を持っている」
結論としては、信頼に値するアドバイザーが予測と持続が可能なかたちでビジネスを大きく成長させていきたいなら、これまで紹介してきた特性に加えて、積極的で前向きな仕組みが必要だ。ビジネス開発の取り組みをうまく役立て、科学的に管理できれば、体系的なやり方で成果をあげられる可能性があるのだ。