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アカデミー賞で見せた、レディ・ガガの称賛すべきプレゼンス

ライザ・ミネリのサポートをするレディ・ガガ / Getty Images

3月27日に行われた第94回アカデミー賞授賞式で、胸を打つ美しいシーンがあったことを、皆さんはお気づきだろうか?

『ドライブ・マイ・カー』の外国語映画賞受賞や、ウィル・スミスの“平手打ち”の一件もあったが、筆者の中では「これなくして今回のアカデミー賞は語れないのではないか」と思うことがあった。それは、レディ・ガガのグレースあふれるクラスアクトだ。

グレースとは、直訳すると「気品」。あえて説明を加えるとすると、「自制心があり、礼儀正しく心地よい振る舞い」という感じだろうか。そして、「クラスアクト」とは、ブリタニカの辞書によると「someone who is admirable and usually very fair or polite」。つまり、賞賛に値し、非常に公正であったり礼儀正しい人のこと、またその人の行動を指す。

そんなレディ・ガガが登場したのは、『コーダ あいのうた』が受賞した「作品賞」。ライザ・ミネリとともにプレゼンターを務めたそのシーンを、まずはぜひともご覧いただきたい。

『IrishTimes』記者のツイートから

映像を見てもわかるように、車椅子で登場したミネリとガガとのやりとりは、とても自然でスムーズだ。それは、レディ・ガガが機転の効く賢さと落ち着きを持っていること、そしてライザ・ミネリがガガを信頼し委ねていたからこそだろう。

“You see that? The public, they love you.”
「見えますか?この聴衆、皆があなたを愛していますよ」

“You know how I love working with legends, and I’m honored to present the final award of the evening with a true show business legend.”
「私が伝説的な人たちと一緒に仕事をするのがどれだけ大好きかお分かりでしょう。そして、この晩の最後の賞を、ショービジネスの真の伝説的人物と共にお贈りできることを光栄に思います」

このガガの言葉を聞く会場にいる聴衆の表情のなんと優しいことか。これだけでも彼女の「グレース」と「クラスアクト」を説明するのに十分すぎるシーンである。

ガガは終始ミネリの手を握り、しっかりと腕にふれていた。ミネリが手元のメモを見ながら「分からない・・・」とつぶやいた場面で「I got it」と言い、さっとそのサポートに回っていた。
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文=日野江都子

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