サンフランシスコ本拠のModern Treasuryは、キャッシュフローと銀行決済を管理するソフトウェアを企業向けに提供している。
Modern Treasuryは、昨年10月に実施したシリーズCラウンドで、AltimeterやBenchmark、Quiet Capitalなどの既存株主から評価額21億ドルで8500万ドル(約100億円)を調達している。同社の共同創業者兼CEOであるDimitri Dadiomovは、今回の調達をシリーズCの延長だと捉えている。
Dadiomovは、Sam Aarons、Matt Marcusと共同で2018年にModern Treasuryを設立した。CTOのAaronsと最高プロダクト責任者のMarcusは、2022年にフォーブスの「30 アンダー30」の金融部門に選出されたていた(Dadiomovは当時既に37歳だったため、対象外だった)。
3人は、不動産融資会社LendingHomeに在籍していた際に知り合った。当時は、住宅ローンの支払いにクレジットカードが使えず、不便だったという。Modern Treasuryの決済ソフトウェアは、消費者ではなく企業を対象としており、不動産関連以外にもヘルスケアや暗号通貨などの企業約100社を顧客に持つ。
大手企業では、フィンテック企業のMarqetaやフィットネスマーケットプレイスのClassPassなどが同社のサービスを利用している。
Modern Treasuryは、10月に実施したシリーズC以降、従業員数が60名から115名に増えるなど、急成長を遂げた。一時は全員が在宅勤務をしていたが、最近になってサンフランシスコとニューヨークに新オフィスを開設した。Modern Treasuryのソフトウェアは、企業の銀行口座への入出金を自動化しており、2月の取扱高は28億ドルに達した。