ビジネス

2022.04.04

ダイヤモンド採掘で世界1位のロシア企業が業界団体を脱退

Getty Images

ロシア政府が一部を所有する世界最大のダイヤモンド採掘会社のアルロサ(Alrosa)が、カルティエやヴァンクリーフ&アーペル、ブシュロンなどの大手高級ブランドからの圧力により、宝飾業界の世界的団体のRJC(Responsible Jewellery Council:責任あるジュエリー協議会)から脱退した。

業界の倫理基準を定めるRJCは、理事会の投票の結果、アルロサの会員資格の停止を決定した。同団体の理事長のDavid Bouffardは、4月1日の声明で「この状況を徹底的に検証する」と述べた。

アルロサは、同社のCEOのセルゲイ・S・イワノフが米国政府の制裁対象となった後、3月初旬にRJCの理事会の副議長の地位を放棄していた。また、先日は英国政府が同社に対する独自の制裁を発表した。

リシュモンやケリング、世界最大のジュエリーメーカーのパンドラらなどの複数の大手が、ロシアとのつながりを理由に、既にRJCを退会しており、今回のアルロサの動きは、それに続くものとなる。

ここで注目されるのは、アルロサが加盟していることを理由にRJCを脱退したブランドが、再び戻ってくるかどうかだ。

モスクワ証券取引所に上場するアルロサの株式の33%を、ロシア政府が保有している。同社のイワノフCEOの父親のセルゲイ・ボリソビッチ・イワノフは政治家で、米国財務省によると、プーチン大統領の側近の一人だという。アルロサのダイヤモンドは、世界の生産量の26%を占めているという。

編集=上田 裕資

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