ジャカルタを拠点とする同社は3月31日、IPO価格を仮条件の316〜346ルピアの中間よりもやや上の 1株当たり338ルピアに設定した。ゴジェック(Gojek)とトコペディア(Tokopedia)の合併により昨年設立されたGoToは、この価格設定により278億ドル(約3.4兆円)の評価額を得ることになる。
GoToはまた、IPOを1週間遅らせて4月11日にすると発表した。同社はこれに先立ち、ブックビルディングを3月24日まで延長していた。
GoToグループのCEOのアンドレ・スリスツヨは声明で、「直近の状況下で公開市場へのアクセスを確保することは、当社の事業の長期的なポテンシャルの裏付けとなる。株主の価値を維持しつつ、バランスシートを強化していく」と述べた。
GoToは、最近の市場のボラティリティにもかかわらず、IPO計画を進めている。同社のIPOの価格設定は、昨年8月に上場したEC業界のユニコーン「ブカラパック(Bukalapak)」に比べると保守的だ。ブカラパックは仮条件の上限の価格でIPOを行ったが、株価は3分の1に下落している。
しかし、UOB Kay Hian SekuritasのアナリストのStevanus Juandaは、GoToのIPO価格が仮条件の下限の316ルピアだったとしても高すぎると述べている。
一方で、RHB SekuritasのアナリストであるMichael Setjoadiは、GoToのIPOは成功すると予想している。「同社の評価額は高めの設定だが、利用可能な株式が限られているため、この価格は正当化できる」とSetjoadiは述べている。目論見書によると、同社の浮動株は467億株で、上場後の総株式数1兆4800億株の4%以下となっている。