また、サイトコアが米国で実施した調査で明らかになったのは、ESG(環境、社会性・企業統治を重視する)ムーブメントの出発点である、広範な倫理問題や説明責任の問題に関する一般の認識が広がりつつあることだ。
この調査では、Z世代消費者の40%近くが、ブランドが負担すべき税を適切に支払っているか、労働慣行が公正かどうかに関心があることがわかった。
加盟する郵便事業体の管理業務を担う国際郵便機構(IPC)が2021年に実施した調査では、全世界のeコマース利用者のうち、「サステナビリティを懸念して、オンラインでの消費行動を変えた」と回答した人の割合は44%にのぼった。
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Z世代とミレニアル世代が、消費者のなかで支配的な位置を占めるようになるにつれ、こうした状況のすべてが、最も有名なeコマース拠点であるアマゾンに与える影響は相当なものになる可能性がある。
アマゾンは、オンライン売上への依存を解消するべく動き出しているようで、レジを通過せずに決済できる生鮮食料品店「アマゾン・フレッシュ」や、同社サイトで星4つ以上のレビューを獲得した人気商品を販売する新しいタイプの実店舗「4-Star」の展開も開始している。
とはいえ、そうした手を打ったところで、業界大手のウォルマートやターゲットと張り合うには、もはや手遅れかもしれない。アマゾンは、傘下スーパーマーケットチェーンのホールフーズと、先述したアマゾン・フレッシュを維持する考えを示している。けれども、食料品以外に、より広範で拡大可能な戦略はあるのだろうか。
eコマースがなくなることは、今後もないだろう。しかしアマゾンが、たとえば書店のような小売業界のセグメントを丸ごと崩壊に追い込むような時代は終わりそうだ。次なる販売形式「クリック&コレクト(オンラインで注文して店舗で受け取るかたち)」はすでに、大規模小売店にとって重要な販売チャネルとなっている。
サステナビリティとそれに伴う課題は、どれも解決が容易ではない。したがって、アマゾンなど、オンラインでビジネスを展開するプラットフォームはみな、次世代の消費者たちが、自分たち企業とそこで販売される商品を、サステナブルなモデルという観点からどのように見ているのかについて理解する必要があるだろう。