同社は3月30日のブログの投稿で、MUM(マルチタスク・ユニファイド・モデル)と呼ばれる検索アルゴリズムを導入すると発表した。MUMは、テキストと画像の両方をまたぐマルチモーダル検索を可能にするアルゴリズムで、75以上の言語の翻訳を通じて世界をより深く理解し、複数の主題がどのような関連を持つかを把握している。
グーグルは、MUMがより質の高い検索結果を生成し、ユーザーにとってより簡単で便利なエクスペリエンスを提供すると述べている。同社は、今後数週間のうちにこの機能を利用可能にするという。
「個人的な危機にある人々は、あらゆる種類の方法で検索を行うが、彼らが必要としていることが明確ではない場合もある。だからこそ、当社は機械学習を使って言語を理解し、最も役立つ検索結果を表示する」と、グーグルの検索担当バイスプレジデントのPandu Nayak は述べている。
グーグルはまた、MUMを使用して、スパムの防止技術を向上させ、同社がまだ十分な学習データを持っていない言語にその技術の適用範囲を拡大する。
同社はさらに、特定のコンテンツに敏感な子どもなどのグループに対する検索結果を改善するためにも、AI(人工知能)を利用するという。グーグルは、「BERT」と呼ばれるツールを活用することで、ショックを与えるような検索結果を30%削減したと述べた。
BERTは、同社の検索エンジンで活用されている自然言語処理を通じた事前学習テクノロジー「Bidirectional Encoder Representations from Transformers」の略で、MUMはBERTの1000倍の処理能力を持っている。2019年に導入されたBERTは、グーグルが2015年にRankBrainをリリースして以降で最も大きなAIの変化となった。
検索市場で70%以上のシェアを持つグーグルは、世界で最も人気の検索エンジンだが、音声アシスタントなどの技術が、同社の地位を脅かしている。グーグルは過去15年の間、世界で最も人気のあるウェブドメインとして君臨してきたが、TikTokがそれに終止符を打った。さらに、アマゾンはEコマースとスマートスピーカーで優位に立ち、広告市場でもグーグルに対抗しようとしている。