フェイスブックは、共和党と深いつながりを持つコンサルティング企業、Targeted Victoryと手を組み、TikTokが若者に有害なアプリであると宣伝するキャンペーンに取り組んでいたことが、ワシントン・ポストが入手した社内メールに書かれていた。
さらに、現在進行中のキャンペーンの中には、TikTokに対抗するための議員へのロビー活動や、大手メデイアへの働きかけが含まれている。また、TikTokが発信源とされる「有害なトレンド」を糾弾する試みも含まれている。
問題のトレンドの一つは、昨年から話題になった学校での破壊行為を奨励する「devious licksチャレンジ」と呼ばれるものだ。民主党のリチャード・ブルメンタール上院議員はこのチャレンジの拡散について、TikTokの幹部に議会で説明を求めたが、Gimletによる調査で、その起源がフェイスブックであることが判明した。
また、Targeted Victoryは、「教師をひっぱたくチャレンジ」の発信源がTikTokだと主張するキャンペーンも展開していたが、ニュースサイトInsiderの記事によると、このチャレンジもフェイスブックが発端だという。
ワシントン・ポストが入手したTargeted Victoryのスタッフのメールには、「世論の集中砲火を浴びているメタは、TikTokこそが諸悪の根源だというメッセージを広める必要がある」と書かれていた。
Targeted Victoryはフォーブスの取材に、数年前からメタの業務を手がけていることを認め、「超党派のチームを管理している」と述べた。メタの広報担当者は、「TikTokを含むすべてのプラットフォームが、成功に見合ったレベルの監視に直面すべきだと考えている」と述べた。
2016年に始動したTikTokのダウンロード数は、2020年に8億5000万件に達し、世界1位を記録。インスタグラムやフェイスブックのアプリを1億ダウンロード以上も上回っていた。
OpenSecretsのデータで、Targeted Victoryはこれまで共和党の選挙キャンペーンから2億3700万ドル(約290億円)を得ており、最大の資金源の一つは、ドナルド・トランプの政治資金管理団体の「America First Action」だとされている。