ジェイから少し南下したところにあるのがサンタ・ローザの街。スヌーピーでおなじみのコミック「ピーナッツ」を生み出したチャールズ・シュルツが住んでいた街で、スヌーピーファンには聖地のシュルツの博物館もある。ホテルやレストランも数多く立ち並び、ソノマ各地へと足をのばしやすい場所にあるので、ここを拠点にするのもよいだろう。
サンタ・ローザの街には、あちこちにスヌーピーのキャラクターが見られる
ソノマワインの魅力あふれる、フラワーズ・ワイナリー
ヒールズバーグとサンタ・ローザの西側には、ロシア川の周りにロシアン・リヴァー・ヴァレーというピノ・ノワールとシャルドネの銘醸地が広がっている。
その中でも、素晴らしいブドウ生み出し、ソノマを著名にした数々のワイナリーが軒を連ねるのがWestside Roadという一本の田舎道。ここにワイナリーを構えるのが、そんなワイナリーのひとつ、「Flowers Vineyards & Winery」だ。
Flowersはもともと、太平洋に近く、標高が高く、ソノマのなかでも冷涼で厳しい気候条件の場所でブドウ栽培を始めた先駆者で、そこから凝縮感のある、深い果実味の緊張感のあるワインを造っている。
2019年に、Westside Roadに新たに「House of flowers」と親しまれるワイナリー施設をオープン。名前のとおり、緑や花にあふれる中に、自社畑が広がる素敵な場所。ここでは、専属シェフによるおつまみと、フラワーズ自慢のピノ・ノワールとシャルドネのペアリングが味わえる。
Flowers Vineyards & Wineryの醸造責任者、シャンタル・フォーサンさん
足を伸ばして、自然と街の情緒に触れる
最後に、昔ながらの街並みが残るセバストポルの街を紹介したい。再開発された「The Barlow market」は、地元のワイナリーやショップ、レストランが集まる場所で、一角には小規模ワイナリーが集まってワインを造る醸造施設、ワインバー、地元のビールのブリュワリーなどが揃っている。
もともとリンゴの栽培が盛んだった地域で、ソノマ産のリンゴで作る発泡酒サイダーのお店も
ソノマは今回の記事では語りつくせないほどワイナリーや観光スポットがあるが、なんといっても自然に溢れ、情緒あふれる小さい田舎町が点在しているのが魅力だ。サンフランシスコに来る機会があれば、ぜひ少し足を延ばして、ソノマの大自然で育まれたワインと食を味わってほしい。
島 悠里の「ブドウ一粒に込められた思い~グローバル・ワイン講座」
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