男性用化粧ブランド「ヒューロン(Huron)」の共同創業者であり、最高開発責任者を務めるマット・テリー(Matt Teri)は、次のように語る。「男らしさに関する従来の価値観が変化してきている。ジェンダーロールやステレオタイプの解釈も進化しつつある。そして、ウェルビーイング(心身の健康)や、外見に気を配ること、気分よく過ごすことといった考え方が、日常の意識のなかに定着してきている」
データ企業のイプソスとスペイト(Spate)がおこなった調査は、美容に対する男性たちの関心の変化をより詳しく分析している。同調査は、サンフランシスコで開催される「パーソナライズド・ビューティー・カンファレンス(Personalized Beauty Conference)」に合わせて実施された。
イプソスのシニア・バイスプレジデントおよび上席顧客責任者であるウェンディ・ウォールナー(Wendy Wallner)は、「全年齢の男性が、美容製品の使用に対して、これまでになく顕著に積極的になっている。Eコマース環境が整備され、非対面購入が可能になったことや、Zoom会議の激増、ソーシャルメディアでの顔出しに伴う不安などが、こうした傾向を後押ししている」と語る。
調査対象となった男性(18~65歳)の過半数は、日常生活に新たな身だしなみ用品を加えることを検討する最大の理由として、「肌の見た目」を挙げた。意外なことではないが、年齢が高いほど、スキンケア用品の使用目的として「若く見られること」を重視していた。
18~34歳の若い男性たちもスキンケアに前向きで、「シミを隠すために美容製品を使いたい」という文に強い同意を示した。
男性たちが日常的に使用することを考えている製品の筆頭は、BBクリームまたはCCクリームだった。BBは「ブレミッシュ・バーム(Blemish Balm)」の略で、薄く、軽度のシミを隠すことができ、「ノーメイク」風の見た目に仕上がる。CCは、「カラーコントロール」または「コンプレクション・コレクター(肌色修正)」の略で、肌のくすみや赤みを改善する効果がある。