ビジネス

2022.03.31 18:00

スタートアップの経営者が「従業員の家族」を意識すべき理由|​​Kaizen Platform 須藤憲司 #3


──Kaizen Platformの今後の展望をお聞かせください。

我々はDX(デジタルトランスフォーメーション)という領域でビジネスをやっていますが、日本におけるDXマーケットはデジタル人材を大企業が大量に採用することが難しいため、アウトソーシング中心のマーケットになると思っています。

なぜかというと、まず日本の大企業では退職率が2.4%ぐらいなので、単純計算すると今後10年間で約20%しか人が入れ替わらないという計算になります。その20%を全員デジタル人材にできるかというとそうはいかないでしょう。

また、デジタル人材の多くは大企業よりもGAFAなどといったテック系の企業で勤めることを希望します。大企業に採用優位性はありません。つまり自前主義だけではDXは実現できないのです。

システムを外注するSIer(システムインテグレーター)というマーケットが約5.8兆円あるのと同様に、DXにも同じような歴史が来ると思っています。SIerは大企業案件が市場の8〜9割を占めていますが、DXも大企業案件がマーケットの中心になるでしょう。

我々はそのマーケットに対して1万人以上のデジタル専門人材が登録してくださっている自社プラットフォームを持ち、そこでのデータや実績からコンサルティングを実施することで、さまざまなDXプロジェクトをご支援させていただいています。

会社規模はさほど大きくありませんが、プラットフォームでレバレッジを効かせながら「DXの圧倒的No.1パートナーになる」ことを目指して事業を作っています。

DXは“繋がっていく”




「これまでの慣習は本当に意味があるんだろうか?」と一度考えていただけると良いと思います。例えばハンコが好例ですが、コロナをきっかけにデジタル化され、その慣習の意味が問われました。

そしてDXは繋がっていきます。例えば営業活動をDXすると、今度はカスタマーサポートのDX、あるいは経理やバックオフィスのDXへと繋がって行きます。さらに会社内に止まらず、その会社のお取引先にもDXが求められるようになります。

それはつまり、産業やサプライチェーン、すべてをDXさせる必要があるという意味です。そのゴールを見据え、いかにそこまで繋げていくかが大切です。小さく始めて、大きく繋げていく。そんなイメージを私は持っています。

──若手起業家、起業家予備軍へのメッセージをお願いします。

我々はDXを通じて顧客体験を改善するという事業を行っています。7年前に創業した時は小さな会社だったのが、おかげさまで今はIPOをしてさらに日本全体のDX化に取り組んでいける規模になりました。

これから起業される、あるいは我々と一緒にDXをやりたいという方も含めて、私の記事にご興味持っていただけたらご連絡いただければとても嬉しいです。ぜひお話ししましょう。よろしくお願いします。

※インタビュー記事は2021年4月19日現在の内容です


須藤 憲司(すどう けんじ)◎1980年生まれ。Kaizen Platform 代表取締役。2003年に早稲田大学を卒業後、リクルートに入社。同社のマーケティング部門、新規事業開発部門を経て、リクルートマーケティングパートナーズ執行役員として活躍。13年にKaizen Platformを米国で創業。現在は日米2拠点で累計1000社以上の国内外のDX戦略の立案と実行を支援。

文=中山航介 提供元=DIMENSION NOTE by DIMENSION, Inc. 編集=露原直人

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