「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」というラクスルのビジョンは、松本個人の活動にも当てはまる。
事業以外の課題にも幅広く関与する松本のモチベーションとは何か。それは寄付そのものではなく、あくまで「問題解決」なのだと話す。そもそも起業家になったのは、問題解決をしたかったから。寄付をするのは、解決に貢献できる問題が増えるから─。ビジネスも寄付も、その動機の源泉は同じというわけだ。
プライベートな活動を表に出すメリットは、松本自身にはほとんどないという。それでもフィランソロピストとして発信するのは「一部の人間の活動で終わらせてはいけない」という思いがあるからだ。
「現在活動しているフィランソロピストの多くは、自分のように『内側』のモチベーションに従って活動している人だと思います。フィランソロピーがムーブメントとなり、社会からの承認も得られるようになれば、フィランソロピストはもっと増えるはず。その結果、より多くの問題が解決される世の中に変わっていくと思うのです」
ここでもまた「仕組み」を変える挑戦を始めている。