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2022.03.28 10:45

独占取材、ウクライナ政府のNFTチャリティを率いる25歳起業家

出品されるNFTアートの一つ。ウクライナを攻撃するベラルーシのミサイルを描いている。(Courtesy of Fair.xyz)

ウクライナのミハイロ・フェドロフ副首相は3月25日、ロシアによる侵攻をテーマとしたNFT(ノン・ファンジブル・トークン)を発行し、その収益を軍と市民の支援に充てると発表した。

このプロジェクトは「メタ・ミュージアム・ヒストリー・オブ・ウォー」と呼ばれるプロジェクトの一環で、ロシアによる侵略を歴史に残し、ウクライナのための寄付を集めることを目的としている。

公式サイトには現在、54のNFTが掲載されており、それぞれのNFTはロシアの侵攻を時系列順に追う内容となっている。ウクライナ政府は今後、5000から7000のNFTをイーサリアムのブロックチェーン上で発行する計画で、価格はそれぞれ450ドル程度とされている。初回のセールでは、200万ドルから300万ドルの調達が見込まれている。

出品されるデジタルアートの作品群は、数十人のウクライナ人アーティストによるもので、「メタヒストリー」と題された戦争の瞬間や場面を記録する内容だ。

イメージの一つは、2月24日にロシア海軍からの攻撃を受けたスネーク島の様子を描いたもので、この戦闘はウクライナ軍の不屈の精神を示すものとして語り継がれている。さらに、チェルノブイリ原発を赤く染めたイラストや、ウクライナに5000万ドルの早期支援を決定したフィンランドのサウリ・ニーニスト大統領とウクライナのゼレンスキー大統領が握手をしているイラストもある。

今回のNFTプロジェクトは、創業間もないブロックチェーン企業Fair.xyzのプラットフォームで行われる。フォーブスは同社の共同創業者であるロンドン在住の25歳のエンジニアのアイザック・カムリッシュ(Isaac Kamlish)にコンタクトをとった。

カムリッシュと彼の仲間は、今から2週間ほど前にウクライナ政府の関係者宛てにメールを書き、ボランティアとしてNFTプロジェクトを支援したいと申し出たという。
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編集=上田裕資

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