2月27日から米国のショータイムで放映中のこの作品は、ウーバーを巨大企業に急成長させたカラニックが、様々な不祥事や問題行動を引き起こし、取締役会で解任を命じられるまでを描く全12話のドラマシリーズだ。
シリコンバレーで最も成功し、最も破壊的なユニコーンの1つとして知られたウーバーは一時期、170億ドルもの評価額を誇っていた。「The Battle For Uber」はマイク・アイザックの同名のノンフィクション(邦題『ウーバー戦記』)を原作としたドラマで、ジョセフ・ゴードン=レヴィットがトラヴィス・カラニックを演じている。
「私たちが創りたかったのは、世界を変えた破壊者についての物語だ。カラニックの成功の代償を描きたいと思った」と製作者の一人のベス・シャクターは述べている。
このドラマは、カラニックと、カイル・チャンドラーが演じる彼のメンターで投資家のビル・ガーリーとの波乱に満ちた関係を詳細に描いている。カラニックは、人から命令されたり助言を受けることが好きではなかったが、ユマ・サーマンが演じるアリアナ・ハフィントンだけは例外で、彼女はカラニックの信頼できる友となりウーバーの取締役にも就任していた。
カラニックは、社員やドライバーの健康や安全すら犠牲にして、会社を成長させようとしたため、多くの物議を醸すニュースを巻き起こした。ブラジルでは12人ものドライバーが殺害された一方、社員らは2500万ドル(約30億円)もの資金を投じた社員旅行で豪遊し、職場のカルチャーは女性差別に満ちていた。そんなジェットコースターのようなウーバーの物語は、最終的にカラニックが役員会のクーデターで追放されるという結末を迎える。
若手女性社員の奮闘にも注目
注目すべきキャラクターの一人は、女優のケリー・ビシェが演じた創業期を支えた若手女性社員のオースティン・ガイトだ。ビシェは最近のインタビューで、ガイトのことを尊敬していると語り、彼女が、男性優位の職場でリーダーシップを発揮しただけでなく、アルコール依存症に悩まされながら、ハードな企業カルチャーの中で仕事をやり抜いたと語った。