テルモンが提携する55の栽培業者のうち25社は有機栽培をしている。サプライチェーンの混乱の最中で出荷方法を船に限定することはリスクが高いが、デュプレッシーは理想と現実の両方を見据えた楽観主義を貫いている。
「売り上げは多少減るだろうし、商品を2日で届けることはできないため、在庫管理を改善する必要がある。ボトルを空輸することは絶対にない。たとえ大金を払うと言われてもだ」
デュプレッシーが長年働いていた仏酒類製造のレミー・コアントローも彼のビジョンに賛同し、2020年10月にテルモンの過半数の株式を購入して彼をCEOに就任させた。ディカプリオやレミー・コアントローの後ろ盾を得て、デュプレッシーは強気だ。「これは私にとって生涯のプロジェクトだ。片足は伝統に、もう片足は現代につけ、両足をブドウ畑につけている」