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2022.03.27 08:30

点が繋がり新たな軸に ノンピが始める「美食のサブスク」とは?


プロダクトリーダーの鄭基英によると、特にシェフがこだわった「味」を冷凍で再現するプロセスは、苦労が多かっという。

「レストランであれば数万円を出さないと食べられないお料理を出しているシェフなので、納得する味を再現するために、何度も開発を重ねました」


「ノンピ アル」プロダクトリーダーの鄭基英

「ノンピ アル」では、味だけでなくサステナビリティや健康面にもこだわっている。大豆ミートなどプラントベース食材を活用しているほか、弁当容器はサトウキビなど環境に配慮した素材でできたものを使用。さらに、全メニューが500Kcal以下に抑えられていて、保存料・合成着色料も不使用だ。

「提供したいのは、トップシェフの料理が常に冷凍庫にあるというワクワク感。取り出して数分温めると、目の前に最高の料理が並ぶんです。在宅ワーク時のランチや、料理をつくりたくない時に手軽に活用していただけます」(上形)

上形が競合と目すのは、ウーバーイーツや出前館などのオンライン宅配サービス。店の料理を自宅でという意味では価格帯も同程度なので、「普段いけないようなお店の料理を、便利に美味しく楽しめる」というメリットは、ノンピのフローズンミールでも十分にリプレイスできるのではないかと考えている。

冷凍食品市場に革命を


かつては食卓にのぼると「手抜き」と言われ、プロの料理人からも「味が落ちるのでは」と懐疑的に見られることの多かった冷凍食品だが、近年は風向きが変わってきている。

冷凍技術の向上と、コロナ禍で脚光を浴びたフードデリバリーの存在により、その価値が業界内でも見直され始めているという。

近年では、2016年に上陸したフランスの冷凍食品店「ピカール」に代表されるように、高価格帯の冷凍食品が国内でも広まってきたため、上形は市場のさらなる成長を確信している。

「冷凍食品はまだ100年ほどの歴史しかありません。いずれは人類の“火の使用”の歴史と同じくらい、革命的な変化を起こせる可能性を秘めていると思います」

文=小谷紘友 取材・編集=田中友梨

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