ビジネス

2022.03.27 08:30

点が繋がり新たな軸に ノンピが始める「美食のサブスク」とは?

田中友梨

「フードボックス」が大成功


その3カ月後の8月に誕生したのが、料理とドリンクを1箱にしたフードボックス「nonpi foodbox(ノンピ フードボックス)」だ。

オンライン飲み会の参加者が専用フォームから必要事項を入力するだけで、イベント当日にそれぞれの自宅にフードボックスが届く仕組み。参加確認や領収書の集約、経費立て替えなど、幹事の負担を軽減する機能も実装した。

フードボックスは鮮度を保つため冷凍で保管し、配送時には冷蔵で配送することで、開催時間に合わせて解凍される。つまり、タイミングよく食べられる状態で届くのだ。

この事業は大成功し、2020年12月単月だけでも前年のフードデリバリー事業超えるほどの売上となった。現在では、1000人規模のオンライン飲み会に対応。取引は6000社にもおよんでいる。

トップシェフの料理を常に冷凍庫に


フードボックス事業は、コロナ禍での新たなニーズをつかんだ格好だが、これは快進撃の序章に過ぎない。ノンピは、2022年3月に調達した総額3.4億円の資金をもとに、さらなる花を咲かせようとしている。

資金調達の目的は3つ。1つは組織の強化、2つ目が財務基盤の強化。そして、3つ目がフローズンミール市場への進出だ。

「6月から、フードボックス事業で培った冷凍のノウハウとネットワークを生かして、BtoC事業にも挑戦します。トップシェフが手掛けるプレミアムフローズンミールのサブスクサービス『nonpi A.R.U.(ノンピ アル)』です」(上形)

「ノンピ アル」では、冷凍の主菜+副菜3つが入った冷凍プレートを3食セットで4420円〜提供(税・送料込)。サブスク型で、配送頻度と食数は選択できる。

料理の開発には、フードボックスの立ち上げ期に出会った、ミシュラン星付きレストラン「Jean-Georges本店」出身シェフの米澤文雄や、石川県の老舗旅館「加賀屋」らが協力。電子レンジで温めるだけでトップシェフの料理が食卓に並ぶ、という新しい体験を提供する。


米澤文雄シェフが監修した「ノンピ アル」。左から時計回りに、「プラントベースハンバーグ 風味豊かなフレッシュトマトソースで」「赤魚のグリル コーンチャウダー仕立て」「チキングリル レッドカレー」
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文=小谷紘友 取材・編集=田中友梨

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