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2022.03.27 08:30

点が繋がり新たな軸に ノンピが始める「美食のサブスク」とは?

Googleをはじめとして、LINE、三菱地所、グラクソ・スミスクラインなど名だたる企業の「社食改革」を手掛けてきたノンピ。

コロナ禍で突然の需要消滅に直面した同社だが、2月に3.4億円の資金調達を実施し、新たにフローズンミール市場での挑戦をスタートした。

「どうしようかと、当時はものすごく考えましたね」

そう振り返るのは、取締役副社長の上形秀一郎。同社は元々、「食を通じたコミュニケーション」を軸に、法人向けの社食事業と社内パーティー向けのフードデリバリー事業を行っていた。


ノンピ取締役副社長の上形秀一郎

特にコロナ前に急成長していたのが、フードデリバリー事業。参加率の高さや情報セキュリティの観点から、外資系金融機関やスタートアップなどでニーズが高まり、業績は右肩上がりとなっていた。

ところがコロナ禍に突入したことで、社内パーティー需要は潮が引くようになくなり、売上は昨対比95%減まで一気に落ち込んだ。社食事業は、拠点の継続などでなんとか持ちこたえたが、フードデリバリー事業は壊滅的だった。

“百試千改会議”でアイデア出し


予想だにしなかった業績暗転によって、かえって社内は一致団結していったという。

「観光業などニーズ自体が消滅してしまった業界もありますが、幸い食ビジネスは『コロナ禍だとしても胃袋の数は変わらない』という救いがありました。食へのニーズは、人類の根源的欲求なので。だからこそ、原点回帰しようと思いました」

ただ、コロナ禍において、その欲求の形がどのように変化するかは見通しが立たなかった。

「だからこそとにかくトライしようと、まず“百試千改会議”という会議を立ち上げました。“100回試して1000回改善する”という意味を込めて命名したんです」

この会議からは、多種多様なアイデアが生まれた。弁当サービス、父の日向け事業、ピンチョスのD2C、スポーツ観戦用フードボックス、コーヒー豆のD2C――。ところが、いずれも鳴かず飛ばずで、日の目を見ることはなかった。

試行錯誤が続く日々で、頻繁に議題に上がるようになったのが、「社内パーティーの代わりに“オンライン飲み会”が増えている」という情報だった。

早速調査を進めたところ、オンライン飲み会は主に2つの方法で開催されていた。幹事が人数分の食べ物や飲み物を宅配サービスで注文し、領収書の管理や費用の立て替えをするパターン。もしくは、個々人で自由に飲食物を調達し、のちに経費精算するパターンである。

「注文の集約や経費精算の手間など、負担のかかるプロセスが多いことに気が付きました。これはニーズがあるなと思ったんです」

そこで上形は、2020年5月に「コミュニティケーションフードデリバリー」という新たな事業を立ち上げた。
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文=小谷紘友 取材・編集=田中友梨

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