「工学部女子学生比率15%」は、堂々のOECD加盟国最下位。そんな“IT分野のジェンダーギャップ先進国”日本で、企業、政府が変わりつつある。
世界総応募数8000件、助成金総額2500万ドル。女性のエンパワーメントに取り組む組織への大型助成金プログラム「Google.orgインパクトチャレンジ for Women and Girls」に、2021年11月、一般社団法人Waffleが34組織のひとつとして選ばれた。
IT分野ジェンダーギャップ解消に取り組むWaffleの法人化は19年。わずか半年後、AWSから24歳以下の若い女性向けプログラミング・イベントの実施依頼がきた。取りまとめた共同創業者の斎藤明日美は振り返る。
「外資系IT企業はジェンダーギャップの問題があると知っていて、日本向けにも予算も組んでいる。しかし、投じられる非営利団体が日本に私たちしかいなかったんです」
アリゾナ大学大学院で修士号を取得後、ITスタートアップのデータサイエンティストとして勤務していた斎藤は、AWSとのやり取りから「チャンスがある」と感じ、ボランティアからフルタイム勤務に。得意の英語を生かして、日々舞い込む企業との提携に奔走した。
ジェンダーとIT。日本が世界に後れを取る2分野の交差点に立つWaffle。その独自のポジションから、手がける女子中高生向けのプログラムにはレノボ、オラクルといった外資系IT企業を皮切りに、ソニー、富士通、サイバーエージェントなど国内企業にも協賛の動きが広がる。