コロナウイルスワクチン4回目接種は必要か、割れる米専門家の意見

Emerson Flores/APHOTOGRAFIA/Getty Images


欧州の流行パターンを再現


英国やスウェーデン、イスラエル、デンマークなどの各国は、高齢者や免疫不全の人はリスクが高いとして、4回目の接種を実施している。イスラエルでは政府に助言を行う専門家らが、すべての成人を対象とすることを推奨した。

米国で収集されたデータでも、ブースター接種の数カ月後には重症化と入院を防ぐ効果が低下することが示されている。それでも、政府の主席医療顧問である米国立アレルギー・感染症研究所のアンソニー・ファウチ所長は、3回目までの接種は十分な効果を発揮しているとの見方だ。

また、米紙ワシントン・ポストによると、米連邦政府当局は、65歳以上の国民すべてに4回目の接種を受けてもらうだけの予算を確保していないという。

米国ではここ数週間、感染・入院者数、死者数がいずれも減少傾向にある。だが、これまで米国での流行のパターンは、欧州諸国の後を追うものになっている。そして、その欧州ではすでにいくつかの国で、感染者数が再び過去最多を更新している。

ワクチンによって得られた免疫力は低下すること、感染が拡大し始めた「BA.2」は、より感染力が強いこと、パンデミックのために導入された行動規制がすでにほぼ撤廃されていることなどを考えると、米国でも感染者は増加するとみていいだろう。

それが欧州各国と同じような増え方になるのか、どれほど深刻な状況をもたらすことになるのかは、まだ分からない。

編集=木内涼子

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