米国人が対ロシア制裁中もキャビアを楽しんでいい理由

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高品質のキャビアの大半は現在、ハンガリーやイタリア、ギリシャ、ドイツなど欧州各国、そしてカリフォルニア州やケンタッキー州など米国内の養殖場で生産されている。小売り大手コストコが販売するキャビアの「オシェトラ」は、黒海に面したブルガリアの養殖場から仕入れたものだ。

最大の生産者は中国企業


ホーストが共同経営する千島湖鱘龍科技(Hangzhou Qiandaohu Xunlong Sci-Tech)は、世界最大のキャビアのサプライヤーであり、世界全体の売上高の35%を占めている。

生産する缶詰の出荷先は23カ国にあり、取引相手にはミシュランの星付きレストラン(フランスの22軒、ニューヨークの5軒)も含まれる。また、キャビア専門店のペトロシアン(Petrossian)やキャビアハウス(Caviar House)、有名シェフのトーマス・ケラーが経営するレストラン、レジイス・オヴァ(Regiis Ova)などのブランド名で販売される缶詰用にも、キャビアを提供している。

ホーストが手掛けるキャビアは、1ポンド(約454g)あたり400~2000ドル。輸送費や燃料費、人件費が高騰するとしても、自社の「未来は明るい」とみているという。キャビアの需要は、「ここ数年で最も高い」ためだ。

ただ、そのホーストからみても、中国の習近平主席とロシアの関係を考えれば、中国産キャビアはいま、考えられている以上に「罪があるものかもしれない」という。そして、いまは中国産キャビアを「買うべきではない」と述べている。

店名が「ロシアのキャビア」を意味するキャビア・ルスは現在、提供しているキャビアがロシア産ではないことを顧客に知ってもらうため、力を尽くしている。パンチャニコフはフォーブスの取材に対し、「キャビアは誰にも、何もしていない」と語っている。

編集=木内涼子

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