ビジネス

2022.03.24 10:00

バーティカルフィンテックでフリーランスを救う

Forbes JAPAN編集部
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阪井優は2019年2月、オンライン型ファクタリングサービス「先払い」を手がけるyupを創業。同サービスは、フリーランスが取引先に送った入金前の請求書情報を登録すると、報酬を即日で受け取ることができるというもの。手続きがオンライン上で完結し、審査は最短60分で完了、会員登録した当日から利用できるなどの利便性が評価されて、ユーザー満足度は98.5%を誇る。

21年8月、yupは総額4.5億円の資金調達を実施。このラウンドでリード投資を行ったのが、服部将大が所属するW venturesだ。服部が阪井に投資した理由とは。


服部:僕は直感を信じるタイプ。極論を言えば、名刺交換をしてから1〜2分で投資したいか、したくないかを決めています。起業家が醸し出す独特の雰囲気や種々ある魅力を嗅ぎ取り、同じ空間にいるときの言葉には表せられないコミュニケーションの機微みたいなものをすごく重視している。

実際に詳しく話を聞いても、その直感にはほとんど狂いがないですね。阪井さんのときもそう。人に好かれそうで、仲間が集まりやすい人物だと思いました。爽やかに見えるんですけど、したたかなところもあって、そこもいいなと。

阪井:ありがとうございます。

服部:それから、なぜ経営者がそのビジネスをやるのかという背景が大事。何をやるかよりも、誰がやるかです。スタートアップの経営は開発も仲間集めもすごく大変で、生まれ育った環境や、社会人になってからの経験など、そのビジネスに通じる身に染みたものがないとモチベーションが続かない。

阪井さんには原体験があったし、もともと僕はバーティカル(特定業界・業種向け)のフィンテックには大きなチャンスがあると思っていて、フリーランスをターゲットにしたファクタリングは面白いなと。

阪井:僕は学生時代にエンジニアリングを専攻していたこともあり、周りにフリーランスとして独立するエンジニアがたくさんいたんです。でも、独立して最初の2〜3年はみんな資金繰りに困っていて、クレジットカードを何枚も発行してやりくりしたり、親や友人に頼み込んでお金を借りたりという姿を見て、何とかならないのかと思っていました。

前職ではヘイというスタートアップにいたので、いまのyupのサービスを新規事業としてできないか相談はしてみたのですが、会社の方針上、優先順位は低くて。それで、独立してやろうと。

服部:それでも、ヘイの経営陣がyupにエンジェル投資していたり、前職時代の後輩が付いてきてくれたりするのは、阪井さんが人たらしで、巻き込み力があるからですよ。
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文=眞鍋 武 写真=平岩 亨

この記事は 「Forbes JAPAN No.089 2022年1月号(2021/11/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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私がこの起業家に投資した理由

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