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2022.03.28 07:30

デジタル請求書の老舗「Doxo」創業者が語るVCとのつきあい方

II.studio / Shutterstock.com


株式の希薄化を防ぐ選択


Doxoは、消費者向けのオールインワン型請求書管理プラットフォームとして2008年に設立された。料金体系は、請求書ごとの課金か、無制限でサービスが利用できる月額サブスクリプションとなっている。成長の停滞を受け、同社は2011年に実施したシリーズBラウンド以降に採用を減らし、新製品のテストに取り組んだ。
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「我々に与えられた選択肢は、無駄を省いて資本効率を高めるか、本来の実力に見合わない評価額で増資して株式を希薄化するかだった」とShiversは話す。Doxoは、2015年に電力会社や医療機関向けにBtoBソフトウェア製品をリリースした。

Shiversによると、2018年からこの新サービスが軌道に乗り始めた結果、収益が10倍に増えたという。現在では、12万社以上の請求書をDoxo経由で支払うことが可能だ。顧客の大半を占める中小企業は、これまで紙の請求書を発行していたが、Doxoを利用することで業務の効率化が図れている。

同社は、シリーズCで調達した資金の大部分を、この事業の拡大に充当し、人員を少なくとも現状の2倍の200名に増員する計画だ。採用するのは、新規顧客を獲得する営業担当や、IT部門を持たない企業でも簡単にデータを扱えるよう、ソフトウェアの機能強化を行うエンジニアだという。
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現在、Doxoは収益性よりも成長を優先させているが、必要に応じてキャッシュフローを黒字に戻すことが可能だとShiversは考えている。このことは、普通株式を対象とするストックオプションを付与された新入社員にとって重要な意味を持つ。

Better.comのように多額の資金を調達した企業の場合、業績が悪化すると、優先株を保有するベンチャーキャピタルの方が、普通株の株主よりも優先的にリターンを受け取れる。そうなると普通株はインセンティブの役割を果たさなくなり、社員のモチベーションが奪われる。「当社の場合はそのような心配とは無縁だ」と彼は述べた。

編集=上田裕資

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