「どう?」を意味する福岡弁「どげん?」をもじったそのメンバーは、地元で有名な「ご当地ヒーロー」たちだ。北九州市のPRを担う「キタキュウマン」や、福岡エリアで調剤薬局などを展開する大賀薬局のPRキャラクター「薬剤戦師オーガマン」など、10人を超える。
あるヒーローは年1回の地元のお祭りに出動し、あるヒーローは企業の運動会を盛り上げる。「ドゲンジャーズ」は、こうした地元ですでに愛されているご当地ヒーローの集合体、いわば「アベンジャーズ」的な存在なのだ。
そんな彼らが活躍する番組は、2020年5月にKBC九州朝日放送で放送を開始、その後まもなく福岡で人気が沸騰した。翌2021年にはシーズン2の公開とともに、放送エリアを関東・熊本・鹿児島へ拡大。この4月には、シリーズ最新作となるシーズン3の地上波・YouTube全国同時配信を控えている。
ローカル局で始まった特撮番組は、なぜ全国的な人気を獲得するに至ったのか。「ドゲンジャーズ」の広告・企画営業と版権運用を担当するエムマーケットエージェンシーCEOの下青木秀輝に話を聞いた。
エムマーケットエージェンシーCEO 下青木秀輝氏
「実在のヒーロー」が登場する特撮番組
「ドゲンジャーズシーズン1」のあらすじはこうだ。
福岡で人気のヒーローたちは、地域の平和を守る毎日を送っていた。そんななか、新たな仕事が舞い込む。恋愛リアリティー番組「HERO HOUSE」への出演だ。その撮影で能古島(福岡県)に赴いたヒーローたちは撮影を無事に終えたが、本土に戻ると、福岡は悪の秘密結社に侵略されていた。
ヒーローたちは、渦中に巻き込まれた青年「田中」とともに、福岡の平和を取り戻す戦いへと挑んでゆく──。
オーガマン(左)と田中(右)
コメディの要素が強く、個性豊かなヒーローたちが入れ替わり立ち替わり登場して視聴者を笑わせる。
「ドゲンジャーズ」最大の特徴は、北九州市で8年以上活動してきた「キタキュウマン」、福岡県のご当地ヒーロー「フクオカリバー」、佐賀県に本社を置く山代ガスの「ヤマシロン」など、福岡関連の自治体や企業がPR目的で制作した“実在のヒーロー”が出演している点だ。