研究者らは論文に次のように記している。
「PM2.5の分子はその直径が小さいことから、より大きなPMと比べて雨や天気の条件に左右されにくい。PM2.5の濃度は雨により変動しないため、PM10よりも大気汚染への慢性的な暴露を示す上でより正確な尺度かもしれない。この点が、私たちの分析に見られた食い違いを説明している可能性がある」
最も大きな悪影響をもたらしたのは交通や産業性の大気汚染物質への長期的な暴露で、関節リウマチのリスクは40%、炎症性腸疾患のリスクは20%高まった。
大気汚染への暴露は、結合組織疾患のリスクを15%増加させている可能性がある。これはタンパク質を豊富に含み、臓器の機能を支える組織、コラーゲンとエラスチンに関わる疾患群だ。コラーゲンとエラスチンは腱(けん)や靱帯(じんたい)、肌、角膜、骨、血管に見られる。結合組織疾患の例には、強皮症や狼瘡、関節リウマチ、チャーグ・ストラウス症候群などがある。
一方研究者らは、参加者の大部分が骨折しやすい傾向にある年配女性だったことが同研究の制約だと指摘している。同研究における自己免疫疾患のまん延は、一般集団におけるこうした疾患のまん延水準と一致していないかもしれない。また、診断日と自己免疫疾患の発現日のデータも得られなかった。