そんななか、英コンサルティング会社のヘンリー・アンド・パートナーズがこのほど発表した世界の投資移住プログラムの年間ランキングで、マルタとポルトガルが、市民権と居住権の部門でそれぞれ1位を獲得した。
世界市民権プログラム指数では、マルタが7年連続で1位の座を獲得。同じく欧州の国であるオーストリアとモンテネグロが2位、3位に入った。
一定額以上の投資と引き換えに市民権を付与するプログラムに関しては、他にも以下の国々が、高い評価を得て上位に入った。
北マケドニア共和国、セントクリストファー・ネービス、セントルシア、アンティグア・バーブーダ、グレナダ、ドミニカ国、トルコ、ヨルダン、エジプト、バヌアツ、カンボジア。
「ゴールデンビザ」指標ではポルトガルがトップに
もう一つの指標である、居住権プログラムを提供している国々のランキングでは、ポルトガルが1位となった。
一定額以上の投資を行った者を対象とする「世界居住権プログラム」ランキングでは、ポルトガルが首位となり、オーストリアやイタリアが同スコアで2位に並んだ。続く3位には、スイスの居住権プログラムが入った。
この居住権プログラム指数に関しては、他にも以下の国や地域が、上位にランクインした。
ギリシャ、マルタ、ジャージー、シンガポール、オーストラリア、ニュージーランド、スペイン、カナダ、キプロス、アイルランド、ドバイ(UAE)、ラトビア、米国、モナコ、香港、韓国、タイ、パナマ、モーリシャス、ブルガリア、マレーシア。
この2つの指数は、どちらも2022年版「投資移住プログラム」に掲載されている。この刊行物についてヘンリー・アンド・パートナーズは、「投資による居住権および市民権プログラムのうち、世界で最も重要度の高いものに関する体系的分析および包括的なベンチマーク」を提供するものであり、「この分野の絶対的な評価基準となっている」と説明している。
「特権の付与」に対する、国際的な批判
投資額に応じて市民権や居住権を付与する制度に対しては、かなり以前から国際的に厳しい目が向けられており、このような慣行そのものを全面的に禁止すべきだとの声も高まっている。圧力が高まるなかで、マルタをはじめとする国々が、ロシア国籍を持つ者に対するゴールデンビザおよびパスポート制度の適用を一時停止する動きも出始めた。