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2022.03.22

「今こそ買い」の米国株、JPモルガンとゴールドマンらが推奨

Getty Images/Shutterstock

スタグフレーションの脅威が迫る中、株式市場は年初から史上最悪のスタートを切ったが、アナリストは、今こそ配当利回りが高く強固なキャッシュフローで市場をアウトパフォームする企業の株に投資すべきだと述べている。

インフレ率の急上昇とロシアのウクライナ侵攻による地政学的不安が高まる中、ほとんどの専門家は、スタグフレーションや景気後退のリスクを警告している。

ゴールドマン・サックスのクリスチャン・ミューラー・グリスマンは、インフレの中で経済成長が鈍化し、失業率が高止まりするスタグフレーションが既に到来していると述べた。

そんな中、ジェフリーズのアナリストは、これからは「キャッシュフローとバランスシートに注目すべきだ」と指摘する。高配当な銘柄は、キャッシュマシーンとなり、インフレと経済成長の鈍化の時期に市場をアウトパフォームするのが一般的だという。

同社は、ファイザーやメドトロニックなどのヘルスケア企業に加え、プロクター&ギャンブル、ベストバイ、ハスブロ、ホームデポなどの消費財企業を買い推奨としている。

一方、ゴールドマン・サックスは、製薬会社のモデルナ、投資運用会社のブラックストーン、半導体のマイクロン・テクノロジーなど、ここ数ヶ月で打ちのめされた現在は割安に見える銘柄を推奨している。

JPモルガンもまた、今が買い時だと述べ、エクソンモービルやサンランなどのエネルギー関連銘柄を特に薦めている。さらに、ウーバーやマクドナルド、ナイキ、ターゲット、エステローダーなどの株の反発を予測している。

JPモルガンの最近のメモによると、2022年のS&P 500は約8%下落し、市場は第二次世界大戦後で最悪の年明けとなった。近年で、年初の数カ月間のS&P 500が同様なレベルに悪化したのは、2008~09年の金融危機と2020年のパンデミックの初期のみだった。

「最近の市場のボラティリティは買いの機会を作っている」とゴールドマンのアナリストは直近のメモで述べていた。

インフレ率が前年比7.9%増という40年ぶりの高水準にある中、米連邦準備制度理事会(FRB)は3月17日、2018年以来初めて金利を0.25ポイント引き上げた。FRBは、ロシアのウクライナ侵攻による「極めて不確実な」影響について警告し、エネルギー価格の上昇が「インフレにさらなる上昇圧力をもたらし、経済活動の重しになる可能性が高い」と述べた。

FRBは年内にさらに6回と2023年に3回の利上げを予測しており、1年につき3回の利上げというこれまでの想定から引き上げた。

編集=上田裕資

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