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2022.03.23

「日本中の小学校でDIYを必須科目にしたい」。そんな夢への共感が生んだ、新たな夢とは。

「日本中の小学校でDIYを必須科目にしたい」。

大阪府に本社を構える大都は、2021年4月1日に「April Dream」でこんな夢を発信した。「子どもがDIYを学ぶということは、生きる力をつけることになる、とデンマークの友人から聞いたことがあります。なぜならばDIYの技術があることにより、家の改修や修理を自分でできるようになるから」。代表取締役の山田岳人は、夢に込めた思いをこう語る。

日本とデンマークの違い


大都は、1937年に創業した工具問屋を母体とし、現在は通販サイト「DIY FACTORY ONLINESHOP」の運営を主な事業としているEC事業者だ。約180万点ものDIY用品や工具を取り扱い、2015年からは5年ほど小学生向けにワークショップを開催していた実績をもつ。

同社が、小学生に向けてDIYの楽しさを伝えることに特に注力しているのには、わけがある。それは、小学生は、自分だけである程度の工作ができるようになってくる年齢であり、かつ、その後の人生にも続いていく習慣を身に付け始めるのに適した年齢だから。「子どものときからDIYの技術を身につけておくと、その後の人生が豊かになるに違いないと思うんです」と、山田は話す。

山田には、デンマーク人の友人がいる。デンマーク大使館で勤めていた彼が鎌倉に古民家を買い、風呂やキッチンを自分でつくったという話を聞き、山田は驚いた。「彼は大使館職員だったわけだから、大工の経験はないんです。それなのに、なぜ、そんな技術を身につけているのか。日本ではほとんど聞かない話なので、興味をもちました」。すると、友人は、小さな頃から父に教わっていたし、学校の義務教育にもDIYが組み込まれていた、と答えた。

「ダンスやプログラミングを必須科目にするのはいい。それと同じくらい、DIYも、重要なのではないでしょうか。水道管の修理をしたり、ちょっとした家具をつくったり。それは、生きていく上で誰もが必要な『住居』にかかわる技術ですから」。今から小学生に向けてDIYの技術を伝授すれば、彼らが大人になったときには、家庭の中で当たり前のように子どもとDIYをするようになるのではないか。そんなビジョンが、彼のなかには広がっているのである。

「DIYをブームではなく文化にする」


15年から18年にかけて行った小学生向けのワークショップは、道具の使い方や塗装の技術などを学ぶことがメインだった。本棚をつくる、など、何かが完成するのも、それはそれで楽しい。だが、大都が大切にしていたのは、「生きていく力を身につけること」。だから、家の修理から工作まで、あらゆるものに応用可能な技術が身に付くワークショップを行ったのだ。


小学生向けのワークショップには、延べ1万人の子供が参加したという。

日本でもDIYは流行っているが、一過性のブームにすぎない。しかし、これをブームで終わらせずに、文化として根付かせるにはどうすればいいか。「夏休みのワークショップだけでも1万人の子どもたちが集まりました。それだけでも十分多いのだけど、日本には600万人の小学生がいます。本当に文化にするなら、学校の授業にしたいね、と社員たちと話し合ったのです」。

「夢」を発信すると、「夢」が伝播する


夢を発信したあと、山田はいくつもの小学校へ出向いて、DIYの授業をさせてほしいと相談してみた。しかし、了承してくれる学校はほとんどなかった。どの学校も、ケガやリスクが心配だという。


夢を公言することで、そんな仲間を増やしたいという、新たな目標も見えてきたと山田は語る。

そんななか、山田の背中を押してくれる出来事も起きた。夢を発信した半年後、本社がある大阪府大阪市生野の生野工業高等学校から「生徒向けにDIYの授業をしてほしい」というオファーがきたのだ。「驚きました。小学校ではなかったけど、ほんのわずかですが、我々の目指す未来に近づいた気がしました」と、山田は振り返る。

「一筋縄ではいかないこともある。でも、夢を公言することで何かが大きく変わると感じた」と、山田は話す。夢を世の中に伝えると、同じ夢をもっている人が集まってきやすくなる。あるいは、誰かが、まだ言語化できていなかった潜在的な夢に気づくきっかけを与えることにもなるからだ。「我々だけではなくこの夢に共感してくれる仲間をもっと増やしていきたいと思うようになりました」。

これらの失敗や成功体験から、次の行動目標が見えてきた。「やっぱり、文部科学省に働きかけないといけないのかもしれない」。大都一社で挑戦しても、なかなか声は届かないかもしれない。でも、全国のホームセンターや工具問屋と手を組んだら、どうだろう。生野工業高等学校が賛同してくれたように、一緒に手を組んでくれる仲間は他にもいるはずだ。

DIYを義務教育に加える、というのは、簡単に実現できる夢ではない。でも、そのあいだ何もできないわけではない。「会場がないことや、コロナ禍の影響もあり、精力的にワークショップを行っていた15〜18年に比べて、直接子どもたちに教える機会が減っていました。まずはそれを一日も早く復活させたい」と、山田は力を込める。とにかく、行動し続けることが大切なのだ。

April Dream
https://prtimes.jp/aprildream/

Promoted by PR TIMES/ photograph by Yuto Kuroyanagi / text by Ayano Yoshida / edit by Tsuzumi Aoyama

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#夢の途中。はじまりは4月1日