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2022.03.22 07:00

フォックスコンがサウジアラビアに新工場を建設する理由

フォックスコンの創業者、郭台銘(テリー・ゴウ)(Photo by Simon Song/South China Morning Post via Getty Images)

フォックスコンの創業者、郭台銘(テリー・ゴウ)(Photo by Simon Song/South China Morning Post via Getty Images)

台湾のフォックスコンが、中東のサウジアラビアで工場の建設計画を進めていると3月14日のウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が報じた。

同社の工場は、サウジ政府がイノベーション拠点として開発中の都市、ネオム(Neom)に建設される予定で、半導体チップやEV(電気自動車)のコンポーネントなどを製造するという。

フォックスコンは現在、中国で12の工場を運営し、ヨーロッパやインドネシア、タイ、ベトナムでも事業を行っている。

「フォックスがサウジに工場を持つことの利点は、中東市場に近く、現地の需要を開拓できることと、関税障壁を回避して価格競争力を高め、地政学的なリスクを軽減できることだ」と、台北の調査企業Market Intelligence & Consulting InstituteのTu Chia-weiは述べている。

米中の対立が深まる中で、フォックスコンは中国以外に拠点を広げようとしている。Tuによると、同社はサウジでの工場建設に約90億ドル(約1兆700億円)を投資する予定という。

「サウジ政府の関係者がフォックスコンと会談したのは、石油に依存した経済からの脱却を目指しているからだ」と、カウンターポイントのアナリストのYang Wangは指摘する。

「政府は、8年以内にサウジアラビアを産業大国に作り変える意向で、ビジョン2030と呼ばれる計画を進めている。彼らは世界のテクノロジーのサプライチェーンに同国を組み込もうとしている」とWangは述べている。

サウジの政府系ファンドのPIFは、2月に将来のテクノロジーに関する64億ドルの投資案を作成し、昨年はサウジで初の海外工場の建設を目指す米国のEVメーカー「ルーシッド・モーターズ(Lucid motors)」に10億ドルを出資した。「PIFは、ビジョン2030のプロジェクトにも参加するはずだ」とWangは指摘した。

「フォックスコンは、サウジや近隣のアラブ首長国連邦からもインセンティブを得られるかもしれない」とWangは付け加えた。

編集=上田裕資

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