JPモルガンではこの4月以降、投資先企業に次のようなことを求めていきます。まず取締役会の過半数を独立取締役とすること。そして多様性を重視し、最低でも1名は女性取締役を置くことも要請していきます。
また日本企業の中には、海外での事業がグループ利益の多くを占め、将来の成長のけん引役であるにもかかわらず、取締役ならびに執行役員に外国人がいないというケースがあります。海外従業員のモチベーションが低下する原因にもなるので、そういった状況は早期に是正すべきではないでしょうか。
ガバナンスを強化し、内部留保を事業投資に回すことで中長期で成長をする。これらは長く日本企業が変わるべき点として指摘されてきたが、目立った変化は起きてこなかった。
しかし、久しく時価総額ランキング上位を、米中をはじめとした海外勢が占め、追い打ちをかけるように昨年夏にGAFAが日本株全体の時価総額を超えた。投資家離れが進む日本企業にとって、改革は待ったなしだ。
今回の東証再編は改革をスタートする好機である。特にプライム市場の企業には、上記で挙がった積極投資や企業監視体制の構築が求められる。3者が期待するのは、見せかけではない、「中長期」でのサステナブルな成長だ。
最上位市場の企業が海外投資家を引き寄せることで、自社への利益還元だけでなく、スタンダードやグロース市場に存在する次なるトップ企業の創出にもつながっていくのではないだろうか。