サンフランシスコ本拠の同社の評価額は40億ドルとされた。
Webflowは、子供の頃にロシアから移民したヴラド・マグダリン(Vlad Magdalin)と弟のセルギー(Sergie)、そして友人のブライアント・チョウ(Bryant Chou)によって2012年に設立された。
「ノーコード」のトレンドに乗って注目を集め、名門アクセラレータのYコンビネータに合格した同社は、2014年に290万ドルのシード資金を調達したが、CEOのマグダリンはその当時、「ベンチャーキャピタルが会社をだめにしてしまう」と考えていたという。3人はその後、外部の資金に頼らずに会社を成長させることにフォーカスし、2019年には黒字化を果たし、年商1000万ドル以上に成長させた。
その年のシリーズAで、マグダリンは投資家に、「ソーシャル・コントラクト」という特別な条件を提示した。それは、投資家が目先の収益性よりも、会社のミッションや従業員を最優先にすることに同意しない限り、出資に参加できないというものだった。
「もちろん、それを理由に出資を断った投資家も居た」とマグダリンは言うが、彼らの信念は実を結びつつある。Webflowのユーザー数は2000万人を突破し、年間経常収益は間もなく1億ドルに到達する。
同社の「すぐに収益が上がらないものに投資する」という姿勢の一例が、アニメーションの製作ツールだ。この機能は、全てのウェブ製作者が必要とするものではないが、アニメの画面に浮かぶ“Made in Webflow”という文字がきっかけで、Webflowを知る新規のユーザーも増えている。
同社はまた、UnivisionやPwCのような企業向けのビジネスでも加速度的に売上を伸ばし、この分野の売上は昨年、100万ドルから800万ドルにまで伸びたという。