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2022.04.01

さまざまなアプローチで社会を導く「よいデザイン」——2021年度グッドデザイン賞受賞例を紹介

グッドデザイン賞は、デザインのクオリティだけでなく、応募作品の開発に対する姿勢や取り組みなど、その裏側にある本質的な価値を評価する賞である。複雑化する社会において、新たな課題やテーマの発見にデザインが必要とされ、デザインへの期待が高まっているなか、グッドデザイン賞が果たす役割に迫る連載。

第二回は、グッドデザイン賞の「審査を通じて新たな『発見』をし、社会と『共有』することで、次なる『創造』へとつなげていく」という理念を体現する、2021年度受賞の3事例を紹介する。

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応募対象は、製品・建築・アプリケーション・コンテンツ・サービス・システムなど、形のあるもの、無いものを問わず、あらゆる“デザイン”されたもの。2022年度の応募受付期間は、4月1日(金)から5月25日(水)13:00まで。


都市におけるセンターオフィスの再定義


THE CAMPUS / コクヨ
(グッドデザイン金賞受賞)

築40年の自社ビルのリノベーション・プロジェクト。「みんなのワーク&ライフ開放区」をコンセプトに、企業活動を街に開き、多様な人々が訪れる未来の社会に向けた新しい環境を構築。街区の余白となる可変的な半公共空間と、分散して働く時代に必要な共感共創体験を融合した「都市におけるオフィスの未来像」をデザインしている。

働き方の多様化が進む現在、社会は自由度が増す一方で労働人口の減少や環境問題など課題は多い。THE CAMPUSは、コロナ禍の生活様式の変化を前向きにとらえ、不確実な状況に対し「人々の個性が輝き、創造的に働き、暮らせる社会」の実現に向けた実験場としてつくられた。

オフィスの役割を街の視点でとらえ、社会と企業とのかかわり方から考えることをテーマに、企業本位の閉じられた労働の場を「社会と働く人が繋がり、自分らしく創造的な体験ができる街に開かれた場」への再編を目指したという。

建物の低層部を半公共空間として街に開放し、「未来に向けた社会価値を創造する場」に再構築。既存建物の一部を市民が利用できるパブリックスペースへとつくり変えている。多数の開口部を新たに設けたことで、風通しや人の往来を取り込む。内外を貫く3つの大階段と、街路樹と自然につながる植栽のランドスケープにより、街と融和したさまざまな居場所を創出している。社員は通勤とリモートを選ぶ働き方に転換。従来の執務空間を撤廃して、仲間との対話やプロトタイピング、社外との交流等の活動に必要な体験をオフィス機能に集約し、専任のコミュニケーターとUXマネージャーがイベントや協働を持続的に運営する仕組みを導入している。


内外を貫く3つの大階段と、植栽のランドスケープにより、街と融和したさまざまな居場所を創出。ラウンジやショップ、ライブラリ等の機能とアートやグリーンが共存する「都市の余白」が出会いに満ちた散策体験をもたらす。


■審査委員による評価ポイント
中高層建築物2棟の1階連結部分を解体してパブリックスペースとして都市へ開放。切り分けられた2棟を新しい動線でブリッジさせることで、一連のオフィスでありながら、都市空間と混ざり合った刺激的な空間を生み出した。独立した建築群を、外部を巻き込みながら複数のレベルで動線によって接続していく手法は、都市と建築の分断を解決し、都市には憩いの居場所を、オフィスには都市ならではの多様な刺激を与える有効な方法となっており、今後のストック活用型社会への新しい方法論を示すものとして高く評価した。

■応募の目的と受賞の反響
THE CAMPUSは、「働く・暮らす・学ぶ」における社会に開かれた巻き込み型の実験場を目指しており、自社の取り組みだけでなく、社会に対する新しいプロトタイプとして広げていきたいとの思いから応募しました。仕事と生活が融合するこれからの時代に向けて、閉鎖的で効率優先の高層ビルが立ち並ぶオフィス街に、誰もが自分らしくいられるリビングのような居場所を生み出すモデルになることを期待しています。実際、ビジネスパーソンの姿しかなかった場所に、くつろぐカップルや宿題をする子どもの姿などが見られるようになり、街の中に余白があることの豊かさを日々実感しています。社員も、おおらかな雰囲気のなかで肩の力が抜けたのか、服装に個性が見えるなどよい影響が出ています。グッドデザイン賞の受賞によって、デザインの力を信じ、強化していこうという社内のエネルギーがますます強くなりました。興味をもってくれる人や協業を望むパートナーが増えたことにも反響を感じています。(鷲尾有美◎コクヨイノベーションセンター所属 空間デザイナー)

最新テクノロジーを活用した保育施設向け総合支援サービス


スマート保育園®︎ / ユニファ
(グッドフォーカス賞[新ビジネスデザイン])

保育者、子ども、保護者等幅広いステークホルダーに向けたデザイン。保育施設はジェンダー平等・男女共同参画社会の実現を支える社会インフラである。保育業務における事務業務をDXすることで業務負担を劇的に削減し、保育者の時間と心のゆとりを創出し、最も重要である保育者が子どもたちとかかわる時間を増やすことによって保育の質の向上を目指す。

保育者は慢性的な人手不足が課題。この取り組みは、深刻な社会課題である保育士不足を解決し、保育の質の向上・保育者のやりがいを創出する。園児たちは一人ひとりに合った発達支援が受けられるようになり、保護者も安心して預けられる。保育者・子ども・保護者を含めて、三方よしの世界観を実現できるソリューションだ。

グッド保育の業務フロー全体をDXし、劇的な負担削減を実現。大量に蓄積されたデータの活用により、個別最適化された教育サービスを提供し、保育・教育の質の向上に貢献する。

■審査委員による評価ポイント
テクノロジーの進化によって、人の役割がなくなることはなく、むしろ本当に必要なところに向かっていくと思われる。スマート保育園®はその先進的な事例であり、同様な考えが他分野にも広がることを期待する。

■応募の目的と受賞の反響
社会課題解決型スタートアップとして、社会貢献性の高いクリエイティブなビジネスを推進している自負はありますが、取り組みの認知度はまだまだ高いとは言えず、グッドデザイン賞への挑戦を考えました。より多くの人に、保育者がもたらす価値と取り巻く課題を認知してもらい、保育者の社会的な地位向上に貢献できるよう、取り組みを進めていきたいと考えています。受賞後、協業を検討する企業からの問い合わせが増え、従業員のモチベーション向上、提供価値に対する自信の醸成につながったことはうれしい変化です。(浅野亜希子◎ユニファ カスタマーサクセス部 みらい保育推進課勤務)

紙と金属でできた世界初の「紙カミソリ®」


紙カミソリ® / 貝印 (グッドデザイン・ベスト100)

ホルダーを紙、ヘッドを金属にすることでプラスチック使用量を極限まで減らした、新しいコンセプトの紙カミソリ。組み立て式で厚さ3mm、重量4gと薄型・軽量のため、持ち運びにも便利。印刷パターンを変えることで多彩なグラフィック展開が可能であり、本来の「そる」という機能以外に「選ぶ楽しみ」や「使う楽しみ」といった情緒的価値の提供も実現した。

1dayコンタクトのように、清潔で快適に使用できる1dayカミソリという新カテゴリを創出したいという思いから企画。1dayである以上、ユーザーだけでなく地球にも優しい要素を取り入れるべきであり、それをわかりやすくユーザーに伝えられるかたちにしたいというコンセプトで開発された。

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組立式で厚さ3mm、重量4gと薄型・軽量のため、持ち運びにも便利。印刷パターンを変えることで多彩なグラフィック展開が可能。

■審査委員による評価ポイント
世の中でも類を見ないまったく新しいデザイン。「選ぶ楽しみ」や「使う楽しみ」また、「組み立てる遊び」といった情緒的価値の提供を実現し、捨てる際の罪悪感をなくすことができるデザインに昇華できている。環境に優しいプロダクトとして、今後の展開を大いに期待する。

■応募の目的と受賞の反響
自社デザイン品質の向上やモチベーション・プレゼンス向上を目的に応募しています。「紙カミソリ®」は新しい試みであり、多角的な評価を受けることで価値を見極めたいと考えました。環境負荷の低減に加え、「グラフィックの多彩さ」といった情緒面と、「組み立ての楽しさ」の体験、これまでにない価値と体験とデザインを寄与できたと自負しています。受賞によって、多くの方に知ってもらう機会を得ることができ、デザインの遊びごころやグラフィック展開可能な点に注目してもらうことが増えました。
鈴木 曜◎貝印 マーケティング本部 広報宣伝部 兼 デザイン部 兼 ブランド企画部 部長。)


グッドデザイン賞とは?

グッドデザイン賞は、1957年から続く日本を代表する世界的なデザイン賞として、毎年国内外の企業や団体、デザイナーなどが多数応募し、これまでに多くの優れたデザインが受賞してきた。2021年度は、前年度より1,000件以上も応募が増加して過去最多の5,835件にのぼり、受賞もこれまでで最も多い1,608件となった。応募対象は、製品・建築・アプリケーション・コンテンツ・サービス・システムなど、形のあるもの、無いものを問わず、あらゆる“デザイン”されたもの。
2022年度の応募受付期間は、4月1日(金)から5月25日(水)13:00まで。

>>GOOD DESIGN AWARD 2022 ご応募受付中<<

応募対象:商品・建築・アプリケーション・ソフトウェア・コンテンツ・プロジェクト・サービス・システムなど。⽇本国内外、⼀般⽤/業務⽤は問わない。
応募条件:2022年10⽉7⽇(金)に受賞発表が可能なこと。2023年3⽉31⽇(⾦)までに購入または利⽤が可能なこと。
応募資格:応募対象の事業主体者、およびデザイン事業者。
応募費用:審査費、出展費など段階に応じた費⽤が発⽣する。
応募⽅法:グッドデザイン賞ウェブサイト(https://www.g-mark.org)の応募専⽤ページで、5⽉25⽇(⽔)13時までに登録。



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Promoted by 日本デザイン振興会 / text by Akiko Naruse / photographs by Kenta Yoshizawa / edit by Hirotaka Imai

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